breakdown19話感想

マーガリート視点

19話 p.3

 予想した通りだった。ステッキを使う女神は斧を使っていた時ほどの怖さが無い。

19話 p.4

  アクロバティックな動きも女神向きではない。

 最初は厄介になるかと思っていたチェルシー流戦法と杖道が寧ろプラスに働いて安心した分、この後の穿魔の構えにはぞっとした。やっぱりフランチェスカの学習能力は恐ろしい。

 両斧が復活すると、爆破移動や磁力ブーメランと滅茶苦茶面倒なことになるのは女神の斧性質変化と最も対峙したマーガリートさんがよく理解しているので、斧を一本落とさせたのは流石のベテラン魔法少女。マーガリートさんの冷静な思考と鍛え抜かれた技術と一瞬で分析と判断を行う戦術眼良い。

 

七谷小鳥視点

 メリーと遭遇したことにより魔法のゴーグルを返して貰えそうでよかった。でも二人とも抜けてるから気付くのに少し時間掛かりそう。メイはクッキー盗んだりナヴィは歯車盗んだりホム剣盗んだりとbd泥棒が多い。

 

ネフィーリア視点

19話 p.21

 人が倒れている。なぜかバスローブを着ていた。場にそぐわない服装はドリーミィ☆チェルシーの変身前のものだ。壁によりかかり、力なく項垂れていた。

  何とか生きていて欲しいと願っていた分、必死に生きようとした跡と「頑張って、頑張って、結局死んでしまったというのが観測者として一番堪えるのだ」で絶望。ネフィーリアの魔法が発動した時点で死亡が確定し崩れ落ちるような感情になるも、

19話 p.21

「いつだってピンチ……でもきっと来る……魔法少女だから……助けてチェルシー……」

 声が止まった。喉の奥になにかが詰まったかのように声が出てこない。

 19話 p.22

 ネフィーリアは息を呑んだ。女性は鬼気迫る表情で手に力を込めた。蒼褪めた唇を震わせ、途切れそうになりながらも縺れることなく言葉を繋いだ。

「聞こえた……チェルシー……に……」

 呟きのような声が、やがて囁きになり、蚊の鳴き声よりも小さくなって消えていく。

「助けを……求め……声……」

19話 p.22

──こいつ……!

 死んでいた。死者への接触を生業とするネフィーリアが間違えることはない。確実に絶命していた。一から十まで余さず狂っている。

 めちゃくちゃ鳥肌立った。死ぬ時は死ぬこの作品でまさか蘇るとは。本当に一から十まで余さず狂っている。死神(モチーフ)の魔法をきっかけに蘇るって構図もかっこいい。 ほとんどの登場人物から評されている「狂っている」「暴力の専門家」「怪物」「魔法少女(バケモン)」など多種多様な評価通り凄い魔法少女。ドリーミィ☆チェルシー最高すぎる。

 

恋々視点

19話 p.17

 歪められていた思い出がはっきりとした形で蘇る。争う母と父。泣きながら割って入ろうとする幼い妹。はずみで吹き飛ばされ、壁に跳ね返り、動かなくなる小さな身体。母の悲鳴と父の怒声をかき消す少女の叫び。そこでぷつんと記憶が途切れ、見えなくなる。

10話 pp.10-11

 ──違う。お母さんは死んでない。お母さんはいなくなったんだ。私を置いていったんだ。死んでない。なんで死んだなんて思う。死んだのを見たわけじゃない。まして殺したわけじゃない。殺したりなんてしない。お母さんなんだ。殺したりなんて……

「しない!」

 1話 p.33

 お父さんは記憶にない。怜の記憶にはお母さんだけがいた。

 ついに19話で断片的に明かされた恋々の過去。上記引用全てを考え合わせると

・母と父が妹を事故で殺害→母が父を殺害→止めようとした怜が母を事故で殺害

 こう仮定すると自分の中でしっくりくる。事件後に怜が母親だと思い込みアパートで同棲していた人物は別人(親戚?)で二人目、若しくはn人目の母。この事件以降他者を家族だと思い込むようになっていたのではないかと。

19話 pp.17-18

 ステッキを持ったお父さんと細剣を構えたお母さんが対峙している。そこに向かってかけていくのは妹だ。このままでは妹が死んでしまう。お姉ちゃんお姉ちゃんと後についてきてばかりで鬱陶しく思ったことは何度もあったが、それでも可愛い妹だ。獣のような下半身で力強く地面を蹴ってもやっぱり妹だ。恋々が守らなければならない。自分の身体を盾にしてでも、生命を犠牲にしてでも、守らなければならないのだ。

19話 p.26

 恋々は微笑んでいた。背中を割られ、口からも血を流し、それでも笑っていた。

「駄目……家族……」

 事件以降頭がおかしくなってしまった恋々が認識する世界ではあの時守れなかった、目の前で死んだ妹を最後の最後にやっと守れて、クランテイルさんがそう感じだ通りようやく自分から動いて大切な人を守り満足したペチカを彷彿とさせる最期。最後まで狂ってたけど、そうならざるを得ない過去があったからこそネフィのいう「自分を騙す」しかなくて、自分を騙してでも家族という存在に執着し大切に想い誰よりも愛を求めた恋々のことが好きです。

 

クランテイル視点 

19話 p.24

 クランテイルは誰にも死んでほしくない。そこにはクランテイル自身も含まれている。仲間達から助けてもらった大切な生命だ。絶対に無駄使いはしない。

19話 p.28

 仲間達と同じだった。「ファッキンドール!」と怒ってばかりだった那子はリオネッタを守って死んだ。「ペチカさんの手を傷つける者は許さない。そう約束しましたの」言葉の通り、リオネッタはペチカを庇って死んだ。ペチカは、クランテイルを庇った。不思議と満足そうな笑顔を浮かべて事切れた。恋々の笑顔とそっくりだった。

 このページに辿り着くまでにチェルシーと恋々で既に感情が凄いことになってるのに加えてクランテイルさんの「仲間達」でもっと凄いことになった。今回とても熱い。restart後半は魔法少女育成計画の中でも特に読み返した部分なので、そこをクランテイルさんに掘り返されたら誰だって心熱くなる。

 

 神を作り出す目的で作られたフランチェスカをこのまま倒せるのか。歯車、メリーと羊、統太君、まだまだ気になる要素はいっぱいある。今後とも魔法少女育成計画breakdownを全力で楽しみにしてます。