書籍版 魔法少女育成計画breakdown(前)感想

 第六章のチェルシーがメリーを助けに行く場面と無印のエピローグ終了が同じページ数と見るとその分厚さが分かるプレゼント応募券が切り取り難い魔法少女育成計画breakdown(前)の感想。

 事前に予告されていた書き下ろしエピローグと書き下ろし戦闘シーン以外にも加筆修正箇所が合計90個以上あってその違いにも興奮してた。マナさんのスーツケースの色が変わる(ダークグレー→ミルクホワイト)細かい変更には思わず二度見。

 ガッツリ削りますからねと言われていた時代があったので一時期は書籍化しても誰かの視点や描写が削られるのではと懸念したものですが、寧ろ書き下ろし視点が4つあり追加エピソードや心理描写が増えてよかったです。特にマイヤ、られ子関連。られ子の誕生日話、生い立ち的に初めて家に連れてきた日を誕生日と定めたんだろうか。親も兄弟姉妹も帰る家も無い孤児の背景で仕える家のお嬢様から誕生日プレゼント貰えたら泣くほど感動するのも頷ける。マイヤさんは何渡したのかなUMA系かな二人がツチノコいるかいないか議論したのビジュアルが判明したことで尚の事面白い。

 ビジュアルといえば人物カラーページと挿絵&巻末ファンページの人間体。満たされました喜びに。イオールお嬢様の笑顔で心が平伏した、乞水怜さんのポージングかわいい、七谷小鳥さんこの容姿で結界にぶつかって悶絶したりかつて文学少女気取りだったりしたの益々好きになる。そして何といっても夢野千枝さん。メリーの「若い女性への変身願望があるというのはわからなくもない」という地の文からも読み取れる実年齢を感じさせない容姿、広報部門に入る才があると思います。

 魔法少女インタビューのメリーの所では遠藤先生がいっていたセクシー議論ってここかと理解。ウェディンの「一般常識です」を彷彿とする遣り取りでメリーは全裸の女性を見てすぐに猥褻な人形の可能性が頭に浮かぶ辺りもしかしたらそういった知識に多少詳しいのかもしれない。フレキシブル解釈。あとマーガリートさんの自分を動物に例えると回答は「堅物に見えて実際はかなり面白い人」の通りで笑顔になった。

 ドラマCDのマーガリートさんも面白かったです。すれ違いコントっぷりが。「てんてこ舞」ってこんなに可愛いフレーズだったんだという気付きもあった。声でチェルシーのシェパーズパイ君呼びを聞ける日がくるなんて。

 ドラマCD②の恋々の「コワ~……何この人……」は恋々がこれから島ですることを踏まえるとあなたもめっちゃ怖いですよと思える趣がある台詞。あの魔法でどうやって仕事を遂行してきたのか?の疑問に対して一つの解になり得る発言には心掻き立てられた。「肉体的に傷つけることはない→チェルシーの血が滲む」然り時折垣間見える違和感にはゾッとするものがある。でも不休不眠の説得による家族の涙が何の涙かは捉え方次第で、メリーのあの状態ですら「比較的制御がきいている」だと嬉し涙のはずないように思えるけど明言されていない以上は確定ではなく断言できない。嬉し涙のはずない。

 

 現実が大変すぎてはよ死にたい感情はそんなことより5月10日まで生きよう感情によって影を潜めたので、breakdown(後)を心待ちに生きる。