感想①、②の続き。第十章以降。②から間が空いたのは書いてる途中でどこの馬の骨とも分からない人の感想を誰が読むんだと気付いたから。でもこういうのは最後まで書いたほうがいいと思い立ちやっぱり書く。
白 第十章
テティはメピスのように笑いながら敵を殴った。初めからこうしていればよかった。
白 第十章
無心で戦うことができる、それはとれも素晴らしい。考えることが苦手なクミクミにとってこれ以上幸せなことはないだろう
※クミクミの好きな物:じっくり考えること
白 第十章
白 第十章
出ィ子はメピスに向かって口だけで作った笑みを見せた。普段のメピスなら腹を立てていたかもしれないが、今は余裕をもって笑いを返してみせた。お前の性格はなんにも変わってないな、という思いを込めたつもりだった。
むごい。まほいくの洗脳で情緒掻き乱れるの一度や二度ではないけど、白は存在そのものが覆された後で解除しても元通りじゃないのと、仲直り→中庭のコンボに5人は笑顔でそこに一切の抵抗の余地はなく、第三者が抱く無情さに反して当事者は幸せを感じてる両極性と心情表現で唸らされた。
メピスが一時的に正気の時の思考回路で「アーデルハイトはどうしているのか」「カナは無事なのか」と思慮を巡らせてる最中に思考が塗り潰される描写はまさにまほいくの味わい。シャドゲの「胸をちくりと刺したが、モニターで踊っているプク・プックの映像が、今すべきことを思い出させてくれた」然り、チェルシーの「シェパーズパイのことを思い出してしまったせいで心が沸騰しそうになるも、すぐメリーによって覆い隠された」然り。もう違う存在にされちゃったのがここ読んでると嫌でも痛感させられる。
中庭の5人がフレデリカの魔法では死亡判定で初代の魔法では出ィ子の状態を把握し切れてないのは肉体的な死であって魂の死ではない証明になり得るんだろうか。感想①にも書いたけど結局ここら辺の解釈はハルナがいう「記憶や自我」に魂が含まれてるか否かによる。
白 第十章
「無事でしたか! 他の皆さんは」
カルコロが最後まで言い切ることはできなかった。笑顔の魔法少女の後ろからまた新たな人影が、その後ろからまた一人、と続々現れた。
JOKERS第四章のシャッフリン再登場に喜ぶフィルルゥを彷彿とさせる場面。バフ有りハート9一人でも強かったのに複数人だととんでもなく厄介そう。アルティメットプリンセスエクスプロージョンできたらもっと怖い。
白 第十章
以前、プク・プックが占拠していた遺跡で戦っていた時とは違う。
白 第十章
フレデリカは地下研究所ではスタンチッカを通して彼女を見ていたし、遊園地ではリップルを通して見ていた。
白 第十章
かつてB市全域に使用され、フレデリカを含めた魔法少女が閉じ込められた不可視の結界があった。
改めて読むとlimited、JOKERS、ACES、QUEENSの本人しか知り得ない話に触れることで読者に今戦っているのは過去作から登場しているピティ・フレデリカ本人と誤認させるミスリード全開の戦闘だった。このミスリードが後のアルティメット爆誕でのどんでん返しに効く。「怒り狂う、というのは、つまり注意力を失う、ということだ」はこの作品がいかにシビアかを顕著に表現されてる文章。
ブレンダがくらったバターナイフ刃、元々レーテ様が勝手に命名したあのバターナイフ剣と同一の物(or素材)って認識でいいならいろんな人の手に渡ってるなあの剣。ブレンダの死因に関わる武器が刃って悪い回合。
白 第十章
「最高の仕事をしてくれましたね……あなたを弟子にして本当によかった」
「認められること」が好きな上で最後に認められて笑顔で事切れたのは過去作の死よりは比較的報われてる方とはいえ、本人は四代目になりたがっていたのに死ぬことが役割だったのは悲しすぎる。「後で迎えに来ます」はランユウィの死体を後で弔うつもりの発言? 倒れてるランユウィが視界に入ったライトニングもいただろうに、誰一人近寄ってないのがもう愛染さんと他個体の決定的に違うところ。
「先生はここに残るの? つまらないわ」の口調的にも攻め込んできた相手的にもここで初代と会話している部下達はライトニングな訳で、「好き勝手なことをしていた部下達が」と態度を見る限り自由奔放で涼しげな面は共通してそうだけど、初代の会話を半数は聞いてるのかいないのか怪しい描写的にシャッフリンと同じく数字とスートで若干の個体差があるなら例えば♥3と♠のエースライトニングはどんな感じなのかジョーカーはいるのかいないのか気になる。アイデンティティが確立しているのは愛染さんだけなのかもしれない。
メルヴィルが二代目に対して「なにかあった時の生贄羊」と推察してたのはランユウィの死を組み込んだ計画と未来視に近い死相見抜きを鑑みるに当たっていてrestartの時から人物像が決まっていたと認識した。初代VS中庭の音楽家の対峙に期待。
白 第十章
この学校を埋め尽くすだけの人数が用意してある。どれだけ消耗しても終わらない。
単純に数の多さを指したと捉えれるのと同時に「どれだけ消耗しても終わらない=ジョーカーの能力で復活できるから」って意味合いにも見えて、もしその能力が発動した場合、田中愛染さんがどうなるか疑問でJOKERSのシャッフリンだと「不足分を補充」とある上でフィルルゥが縛ってた個体も消失してるから従来のジョーカーと同じく生きてても死亡しても足手まといはリセット仕様だと生死関係なく能力発動でもう愛染さんではない❤9個体が生み直されるとしたら恐ろしい。仮にジョーカーがいたとして決定版なら一体とは限らないのも絵札とエースの脅威度もUPEの有無も愛染さんが生き残る未来が見えないのも後何人死ぬか分からないのも怖い。シリーズ毎に登場する魔法少女の平均生存率が3割以下の作品なので二年F組の未来を心配せざるを得ない。
白 第十章
「……アーデルハイト」
「なんや」
「悪いことはいわないわ。早く逃げなさい」
白 第十章
刻印されたハートの9.聞こえてくる足音。なにかを理解し、しかし咀嚼できない。アーデルハイトは足下のライトニングを凝視したまま、動けずにいた。
足音が近付く。複数いる。すぐそこまで来ている。
「あら、こんにちは」
白で一番びっくりした所。えっ!??ってリアルで声出た。黒時点でラズリーヌ陣営による特殊な存在なのは察せてもこれは完全に予想外。入学時の出席番号が変身前後で両方9番目なのは狙ってるんだろうか。二年F組が大富豪やってた頃どういう感情だったんだ。出自が判明した今だとカナに誕生日は分かるか聞いてるのは魔法の効力を確かめるのとは別に自分がいつ作られたか知らないから知りたくて聞いたように見える。
田中愛染さんがいつ何で変わったかの解釈、三代目曰く勝手な動きは潜入後からしてるのと自分が量産品って記憶を失う前後で心境の変化はあったかどうかとカルコロ先生が抱いてた印象のように黒前半+短編の時とは違うのと正体に繋がる記憶が無い上で自分が特定の時期から変わった(変わろうとした?)ことを自覚していて、不自然な回復を仮に入れ替わりとしてもそれがその場凌ぎか永続的かどうかまでは分からず、最初から特別ななにかになりたいと思ってたのか学校生活での感化か入れ替わりか記憶が機転か現段階だと判断難しい。黒のあのアーデルハイト戦で吹き飛ばされた後にシャップリンセスにしかできないこと(一番有力なのは入れ替わり)をしたのは確定だと思うけどだとしても、という話。
プリンセス・ライトニングは学校を埋め尽くすだけの人数がいてもしジョーカーがいるなら一人一人が戦力的に替えの利く存在でも創立祭をやりたがって変わったと言われて嬉しがってオリジナルの必殺技名を考えてこの状況で忠告してくれるライトニングは♥9だけと考えると生き残ってほしすぎる。
白の愛染さんは食いしん坊マイペース美人なのは相変わらずだったけれど黒と短編の時と打って変わって明確に協調性があるのとランユウィ退院、テティメピスの歴史的和解での反応でクラスメイトへの関心が読み取れるのと自陣営の意向に反してるっぽいのと喜んだり怒ったり目輝いたり分かり易く感情が出ていて、アーデルハイトとの戦いは恐らく数字が持つ本来の実力以上(バフ、魔王塾流シャウト、任務に堅実な相手に一体一で戦いたいと思わせる)の結果で最終的に負けるも割と清々していて明かされる想いの内と早く逃げなさいと言ってる所で心痺れて最後の種明かしで衝撃受けて感情がライトニングに染まった。アーデルハイトとは同じ雷系でも所属陣営が完全に敵同士で容姿は洋と和の対で二人とも「非常識」「特別」に憧れて作中で殺し合って守って共闘してまた殺し合って他のライトニング達は敵を滅ぼせの命を受けてるのに逃げなさいと気遣う対でありつつ共通している敵対同心の関係好き。
白 エピローグ
「この前みたいに助けに行かなきゃ! うるるに続け!」
白 エピローグ
「お前らが私に勝ったらなんでもいうこと聞いてやるよ。お前らが私に負けたらいうこと聞けよ」
「なに? なにさせるつもりなのさ」
「フレデリカと縁を切れ」
忙しいはずなのに魔梨華ようやってくれとる。それにしても本当に次の赤で全部終わる?と疑問に思わざるを得ない勢力図の情報量の多さ。スノ育が「魔法少女スノーホワイト物語のクライマックスを楽しむために絶対欠かせないエピソード」とあるからスノ育を想起する形でスノリプとフレデリカの決着が赤でつくのではと考えてるけど、遺跡とか二年F組とか初代とかライトニングとか生存組とか気になる要因多くて結末想像付かない。
ダークキューティーは主人公(スノーホワイト)と絡んでもサリーと絡んでも宇宙実の仇という形でうるると接触してもどう転んでも美味しい存在だからパンダ没戦闘の時みたいに絶対近くに潜んでると思う。みっちゃんもアーネもお嬢もブレーキかけれる人が周りから誰一人いなくなったダーキュが一流の悪役としてどんな行動するか期待。兎の足の再登場と護の謎機械にもこっそり期待。
スノーホワイト育成計画
彼女達の未来のことを考えているとなんて楽しい。
その未来を見ることができないとはなんて悲しい。
ここで御役御免になるのが私の運命だとしたら、これほど残酷なことはない。私は私の理想の魔法少女を作り出すという目的を半ばまで叶えたのに、最後まで拘わることなく途中退場する。悲劇だ。
白 エピローグ
かつてピティ・フレデリカは考えた。自分は常に魔法少女の傍にいたい。魔法少女の成長を喜び、理想とする魔法少女の誕生を夢見、そのためには強大な敵として立ちはだかりたい。
limited エピローグ
一緒に理想の魔法少女を目指しましょう。
JOKERS エピローグ
彼女は嬉しそうに笑った。
白 エピローグ
彼女は顔いっぱいに笑みを広げた。
ついに未来永劫生きる存在になってしまった。恋々の矢刺されてハゲ(ナヴィ)に恋しないかな。フレデリカとリップル繋がりで締まるまほいくシリーズのENDとして、limitedの洗脳ENDとJOKERSのスタンチッカ正体バラシENDを後味が心抉ると表現するなら、対照的に白のアルティメット爆誕ENDは挿絵も相俟りフレデリカがまたやりやがった!って歓喜に近い感情を抱いた。
白、中学生魔法少女達の仲睦まじい平和な日常と創立祭への積み上げを描写しつつ序盤にホムンクルスの耐用年数を開示したり幕間の戦闘や中庭の不穏さで気を緩ませず、八章から一気に崩壊して初の死者に今迄の死とは別定義の死もあって黒と短編の思い入れの分含め精神的ダメージ強いけど最初から違う存在だったテティ、憑融、死ぬことが前提だったランユウィ、佐藤さん、窃視はメイで防いでいた、ライトニング等後半の予想外展開の数々に打ち痺れて物話として面白かった。生きてる内に次巻が読みたい。楽しみと祈りと最後(スノーホワイトの物語)への覚悟を決めて赤に備えます。