breakdown挿絵アンケートで投票するシーンを考えつつ好きなシーンの振り返り

 一昨日、月刊魔法少女育成計画公式Twitterより発表された「『魔法少女育成計画breakdown』書籍化記念! breakdownのこのシーンに挿絵が欲しいよアンケート」について。ベストバウト結果発表その2や質問はいつ何だろうという疑問はタイムカプセル的感覚で気長に待って一旦置き、どのシーンを希望しようか書き記していく。

 

られ子がフランチェスカに穿魔を放つシーン【15話】

breakdown 15話 p.38

 意識が高まる。掌中の杖一点に集中する。捕縛と鎮圧を基本とする杖道の中でも数少ない、破壊を目的とする技。魔王パムの羽一枚半を貫いたことからこの名がつけられた。右斜め後方からほんの一瞬垣間見えた顎先に向けて渾身の「穿魔」を放つ。

  何と言っても「穿魔」がかっこいい。魔法少女杖道から放たれる技(「八臂の構え」「本手打ち」「引手払い」「打突」「落とし噛み」「引き落とし」)を連続で見たら興奮するのも無理ない。遠藤先生が描く足から崩していく戦闘描写が好き。この後の「役に立たないクズ技を教えやがって」も印象深い毒づき。

 

ドリーミィ☆チェルシーVSフランチェスカ(2回戦目冒頭) 【16話】

breakdown 16話 p.24

「今から魅せてあげる。あなたの知らない可愛らしさを」

 やることは決まっていた。ハートマークを崩してピースサインに移行、ビシッとポーズをつけて腕をクロスさせながら相手を指し、叫んだ。

「ドリーミィ☆チェルシーに! お任せよ!」

 太陽光を受けて星飾りが黒く光る。女神が飛ぶのと同時にチェルシーが踊った。

  最高に大好きな台詞と幕開け。いつか投票できる機会があればここは絶対に投票したいと思ってた。偏にドリーミィ☆チェルシーVSフランチェスカといっても作中で三回激闘を繰り広げており、どれも記憶に強く刻まれてる戦闘なので、このシーン以外にも挿絵になってほしいシーンは多い。「──シェパーズパイ君……ちょっとだけ力を貸して」や三回戦目でフランチェスカチェルシーを前に見せた情緒など。第11話から第22話に亘って二人の超新星バトルには終始魅せられ続けた。

 

 

七谷小鳥が女神に飛びつくシーン【14話】

breakdown 14話 pp.26-27

──ここか?

 なにがここなのか自分でもよくわからない。保留はできない。やるかやらないか、それしかない。小鳥はメイをしっかりと把持し、女神の肩、枝ののっていない方に向かって飛びついた。

 戦闘部門から一転して人間体見たい部門へ。七谷小鳥さん関連だと序盤のパジャ魔法少女失態や沼でメイと会話する等あるけど、その中でもこのシーンは人間体見たい欲を差し置いても鳥肌立った私的名場面。

 limitedプキン戦終盤では覚悟も戦意も吹き飛び何も出来ずメイとフレデリカによって助かった7753が第6話でプキンに似ていると比喩された存在に対してあの時とは対比的に今度は自分が自身とメイが生き残るために行動しそして終盤では戦い抜いたのが熱い。7753の普段は地に足のついた感じながらもいざという時にベテランの判断力と直感と胆力が働く一面に心惹かれる。

 

ドリーミィ☆チェルシーが蘇生したシーン【19話】

breakdown 19話 p.22

 ネフィーリアは息を呑んだ。女性は鬼気迫る表情で手に力を込めた。蒼褪めた唇を震わせ、途切れそうになりながらも縺れることなく言葉を繋いだ。

「聞こえた……チェルシー……に……」

 呟きのような声が、やがて囁きになり、蚊の鳴き声よりも小さくなって消えていく。

「助けを……求め……声……」

breakdown 19話 p.22

──こいつ……!

 死んでいた。死者への接触を生業とするネフィーリアが間違えることはない。確実に絶命していた。一から十まで余さず狂っている。

 ネフィーリアの魔法が発動=死亡が確定し、それまで祈ってた「どうかチェルシーが生きてますように……!」という淡い希望は完全に崩れ去って滅茶苦茶になってた感情がこの復活で急速に爆上がりしたのを今でもはっきり覚えてる。死して尚自分を貫くチェルシー魔法少女としての魂。死神(モチーフ)の魔法をきっかけに蘇るって構図が良い。

 

恋々が家族を守りにいくシーン【19話】

breakdown 19話 p.17

 歪められていた思い出がはっきりとした形で蘇る。争う母と父。泣きながら割って入ろうとする幼い妹。はずみで吹き飛ばされ、壁に跳ね返り、動かなくなる小さな身体。母の悲鳴と父の怒声をかき消す少女の叫び。そこでぷつんと記憶が途切れ、見えなくなる。

──もう……二度と……。

 同じころは繰り返さない。繰り返させたりしない。恋々が止めてみせる。

 「恋々は自分を取り戻していた。今まで失調していたという自覚さえあった」からの「ステッキを持ったお父さんと細剣を構えたお母さんが対峙している。そこに向かってかけていくのは妹だ」と認識が歪んでいるシーンで初見の時は戦慄&これから一体どうなるんだというドキドキ。

 そしてあの時守れなかった、目の前で死んだ妹をやっと守れて、笑顔で最期を遂げた。クランテイルさんがそう感じだと通りようやく自分から動いて大切な人を守り満足そうな笑顔を浮かべて事切れたペチカを彷彿とする最期。最後まで狂ってたけど、そうならざるを得なくても拠所無い過去があったからこそネフィ表現でいう「恋々が騙していたのは他人ではなく恋々自身だった」で、自身を騙してでも家族という存在に執着し大切に想い愛を求めた恋々が切なくて狂おしくて堪らなく好き。

  

 

 結局まだ三つに絞れない。マーガリートさんの最期の「よくやった」、ネフィが羽を擦ってイマジナリー恋々と会話、メリーとメリーの羊達が立ち向かうシーン。他にもあるけれど、今は前述した五つを現段階の最終有力候補とし、締切の12月31日までに決める。breakdown書籍化、楽しみです。