breakdown20話感想

冒頭

20話 p.1

 その魔法少女達は一切の頭髪を持たなかった。

  出オチ。ACESの「忍者モチーフの魔法少女はそこまで数が多くない」やbreakdownの「名前の頭を数字にする魔法少女は少なく、数字のみで名付ける者は更に少ない」など時折垣間見える外部魔法少女事情に関心がある為、今回の「禿頭の魔法少女というのは珍しいながらも皆無ではない」に興味そそられた。

 

20話 p.1

 他者の髪を武器として使う魔法少女から攻撃を受けないよう予め剃っていたり

 髪の魔法で真っ先に思い浮かぶピティ・フレデリカ。髪剃っている訳でもないのに対策済みのスノーホワイトはどういう対策をしたのか知りたい。

 

20話 p.3 

 噂通り不正が嫌いな人物であれば、膿を取り除いた人事部門は受け入れてもらえるだろう。

 ジューベとパペタの登場は嬉しいけど、気になるのは上記の台詞。F2Pで研究部門所属なのに人事部門? 時系列と移り変わった経緯が謎。「膿」は誰を指してるんだろう。フレデリカも今人事部門にいるはずだけどクリオとかそこら辺の兼ね合いがどうなってるか全く分からない。ここら辺後に分かる機会くるんだろうか。

 

「月刊魔法少女育成計画ツイッターで公開された情報

 「(※画像は開発中のものです)(※特に何かが決まったわけではありません)」でついにイオール(推定)とマイヤさん(推定)とラギ(推定)とクラリッサ(推定)のビジュアルが公開された。クラリッサネコ科かわいい。まだ「※開発中」らしいので画像の言及は慎む。

 

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 約二年前に「書籍化することになったらガッツリ削りますからね?」と記載されたことがあったけど、実際どうなるんだろう。現在は合計772ページで削られたら悲しいから出来るだけ分厚くあってほしい。挿絵とあとがきが読める書籍版breakdown楽しみにしてる。

 

統太君視点

3話 p.29

 イオールはずんずんと歩く。統太の手を握ったままで。指先は柔らかく、なめらかで、冷たく、ひんやりとしていたけれど、だんだんと温かくなっていく。それは統太の熱が移っているからだと気付いた時、思わず手を引いていた。

20話 p.4

 イオールの手を引いて最高速度で走った。

 序盤はイオールに手を引かれて思わず手を離していた統太君が、今はイオールの手を引いて走ってお互い強く握り合うの感慨深い。子供でも自分ができることを精一杯やるマーガリートの弟子に相応しい根気の強さが統太君の好きポイント。

 

マーガリート視点

restart(後)p.238

 クランテイルは網の間に捕らわれ、もがく間もなく電撃が放射された。

20話 p.11

 クランテイルが蛇からデンキウナギに変化し、電流を流したのだ。

 restart終盤のプフレ&シャドウゲールvsクランテイルを思い出すデンキウナギ電流。これまでの36種類(馬、鰐、ポニー、鹿、蜘蛛、バッタ、ヤモリ、類人猿、タコ、イルカ、ライオン、グレートドラゴン、蛇、キリン、虎、豹、クラゲ、トナカイ、山羊、蛾、多数のネコ科動物、水管のある動物、スカンク、クォーターホース、スプリングボック、チーター、ピューマ、クモザル、イリエワニヌタウナギホッキョクグマアフリカ象、黒く光る蛇のような姿、デンキウナギ、サソリ、蜂)の多彩な変身の中でも、デンキウナギ特殊能力面に秀でていて珍しく思える。魚山護と一緒に水族館かどこかに行って身に着けた変身だったら嬉しい。護がお姉さんぶるつもりでナマコ握り体験嫌々やったりイルカショーで護だけ水掛かる芸人体質っぷりが発揮されたりしたら更に嬉しい。

 

20話 pp.23-24

 もしそうだとすれば、チェルシーとぶつかり合った直後、女神は疲労困憊している可能性が高い。そこで攻撃を仕掛ければ、致命傷を与えることができるかもしれない。

 そこまで計算し、しかしマーガリートの肺は、喉は、声を張り上げていた。

チェルシー! やめろ!」

 「冷静なマーガリート」が実利を理解しているうえで、勝利より人死がでないことを優先するマーガリートさん良い。チェルシーも17話の戦闘で実利よりドリーミィ☆チェルシーであることを選んだけど、読者視点で「そこで攻撃すれば勝てたのに」「そこで攻撃を仕掛ければ致命傷を与えることができたかもしれないのに」とは思わず、そこでそういう選択をするような人物達だからこそ皆の積み重ねも併せて追い詰める局面まで辿り着けたと認識してる。

 

ネフィーリア、チェルシー視点

20話 p.15

 彼女はクラリッサと共にいる。今、恋々にだけコンタクトをとって動かすことは難しい。

 ハムエルがひょっとしたらレーテ様が生きてる思いにかけていたように、ナヴィの「クラリッサが負けることはない」も含めて相手が死んだことを知らないまま描写は切ない。

 

20話 p.19

 一見するとなんてことはないただの歯車に見える。しかし内に秘めた確かな可愛らしさが伝わってくる。アニメ化を果たした魔法少女数十人分に相当するであろう凄まじいキュートとポップだ。

  ネフィが歯車を入手するであろうと予想していた中でチェルシーと一緒に入手するのは予想外だった。「アニメ化を果たした魔法少女数十人分に相当するであろう凄まじいキュートとポップだ」はチェルシーらしい表現。チェルシーは遺物をどう扱うのか。またとんでもない活躍をしてくれる展開に期待。

 

パステルメリー視点

20話 p.18

 こんな時に情けないことだとは思うが、今すぐ自分自身を変えられるわけもない。メリーは自分がやるべきことをやる。即ち、働かせるため、いざという時の盾にするため、延々と羊を描き続けるのだ。

  メリーの全力がようやく見れて嬉しい。クラリッサの「あそこまで動物の数を出す魔法少女っていうのは実験場でもあんまり聞かないっしょ」通り延々と羊を描き続けるメリーの生産力は凄い。本編と特に短編で描写されている画家としての狂気の情熱と執念があるからこそ「ここで画家生命が終わっても」で分かるメリーの本気度。

 

ドリーミィ☆チェルシー

20話 pp.21-22

 限界を超えて血塗れになり戦っているマーガリートから見てさえ、彼女の姿は死んでいないことが不思議としか思えなかった。血が抜けすぎているせいで顔だけでなく手足まで重病人のように青褪めている、コスチュームは切り裂かれ、石の杭で不器用に修復されていた。恐らくはその下の肉体もズタズタだろう。顔も服も靴下まで余すことなく赤黒く汚れ、前髪はべったりと額に張り付いていた。ステッキは持っておらず、靴も無い。

「ドリーミィ☆チェルシーに……」

 たっぷりと十秒は溜め、その間に片足を上げ、両手を組み合わせてポーズと作った。

「お任せよ!」

 回を重ねる度大好きになる。一度本当に死んでいるのに女神の強さを誰よりも体験しているはずなのにもう生きてるのが不思議なほどの重体なのにそれでも立ち向かう姿凄まじい。生傷の痛々しさに心苦しい気持ちとそれでもチェルシーならきっと……!って気持ちが自分の中で両立してる。

 

17話 p.4

 恐ろしいことに、斧で地面を引き裂いた跡が綺麗な五芒星の形を描いている。勿論偶然ではない。闇雲に斧を振るっているように見せて、実は地面の上に創意を描いていた。

17話 p.7

 女神が斧を振り上げた。今までの振りかぶりに比べて一瞬の間があった。見せたことのない動きに対する警戒か。それともここまで一緒にメロディーを作り上げてきた相手を「もったいない」と思える心の動きが躊躇を呼んだのか。

20話 p.22

 女神が口元を歪めた。笑っているのか、それとも嘲笑っているのか。

 機械的フランチェスカが唯一チェルシー相手には垣間見える情緒的な面。今までチェルシー視点のみの描写故にチェルシー独自の解釈とも言えたけど、初めて他の視点で「女神が口元を歪めた」と笑ったか嘲笑ったか二つの解釈ができる描写がされ、二度も相見えた結果お互いの理解が深まっているように見える。チェルシーを「常用できないとっておき」のはずの技で相手すべきと認識しているのが良い。星と爆発の超新星関係。

 

20話 p.22

 チェルシーは粉塵を巻き上げ木々を吹き飛ばし突っ込んでくる。女神は上段に構え、踝まで地面に沈む勢いで足を踏み締めている。受け止めるような態勢だ。

 普通に考えれば傷だらけの魔法少女が現身になり得たかもしれない女神の必殺の一撃に突っ込んでいくなんて自殺行為にしか見えないけど、絶対に何かしらの勝算を持っての行動のはずで、きっと歯車を利用した何かしらの考えがあるはず。

 これまで積み重ねた魔法少女信仰経験強靭肉体精神力と魔法少女として貫いてきた生き方と想いを持つドリーミィ☆チェルシーを応援してる。