書籍版 魔法少女育成計画breakdown(後)感想

 第十一章に当たるWEB版11話掲載当時(2018年2月)は平昌オリンピックの時期だったからチェルシーダブルアクセルとトリプルトゥループがタイムリーに感じた記憶や22話から週間連載になってbdとチェンソーマンが毎週読める時期が存在したの凄かった等々、初読時の感情も蘇りつつ読み終えました魔法少女育成計画 breakdown(後)。

 記事タイトルに書籍版と付けているのは連載中も連載終了直後もWEB版の感想を書き記していたので区別するため。今回で多分最後のbd感想記事になるのかと思うと感慨深い。

 

 応募券、前編の恋々を見た時点で恐らく後編はネフィだろうな、ネフィだったらいいなと予想しておりましたが、本当にその二人でほっぺすりすりでしかも切手枠にメリーもいて、好きです凝ったハガキ。「おそれいりますが63円分の切手をお貼りください(泣き顔メリー)」でメリーが泣いている理由はかつて(4年前)質問を募集した頃に丁度郵便はがき料金の値上げがあって誤送が多かったのが起因しているのではと深読みしております。その次のベストバウト投票では郵送募集消えていたので。

 次いで挿絵の話。月並みな感想だけど、られ子の挿絵が修復エフェクトも相俟ってとてもかっこよかった。喜びとしてのイエロー憂いを帯びたブルー。「魔法少女が魔法を発動する瞬間」はこんなにも良いのに自身の想像上で脳のリソースを上手く割けれた経験があまりなく、だからこそ絵として可視化していただいたことで魅入りました。神以てありがとうございますマルイノ先生。

 マイヤられ子は書籍化に伴い特に見識が更新された魔法少女で、マイヤさんが死して尚「マイヤは強かった」「マイヤだけがられ子のことを気にしてくれた」「マイヤに比べて威力が劣る」とずっとマイヤ、マイヤ、マイヤ。詮方なくマイヤの仇と戦いマイヤの形見を使用してマイヤとの一体感を感じつつマイヤのオリジナル技を放ち、最後の最後もマイヤの顔を浮かべ呟いた言葉が本人由来の毒づきという趨勢と関係にある種の趣を感じて、られ子の最期の文章好きなんだよなあと再読で反芻した。

  ドラマCDの感想はふせったーで既に書いたので割愛。魔法少女PROFILEの話へ。イオール家の新人メイドなんかは二人の本名を知った時に親子だと勘違いしたりしたのかな。マイヤさんが実の母か聞かれたら霰ちゃんすごく嫌な顔しそう。クラリッサの好物、「バターたっぷりのパンが好きだけど自分が貰えないことに不平不満を言わない偉さ」と「やらねえよと言われたもののあの後なんやかんやでナヴィに分けて貰って食べたら好物になった」のどっちで解釈していいのか迷う。巻末ファンページの方の7753はゴーグル装着している芸コマいいよねいい。

 

 breakdownはシリーズで特に読み返す機会が多かったので、大方の描写は記憶に新しく、それでもやっぱり何度読んでも「今から魅せてあげる。あなたの知らない可愛らしさを」とチェルシーが蘇るシーンで心身ともに興奮し、死ぬほど頑張った統太君に対するマーガリートさんの最期の「よくやった」独白で涙ぐみ、そういった色褪せない感想を抱けてよかった。漫画や小説を糧にしないと生きていけない人間故に、芯に迫る読書経験が貴重に感じる。来年再来年の自分は元気に生きているのか全く分からないけれど、せめてスノーさんの物語の行く末は見たいとbdラストで思いました。