breakdown(後)のWEB版から文庫版への加筆・修正箇所
pp.5-12
書き下ろしプロローグ
p.13
WEB:母から教えつけられた
文庫:チェルシーとメリー、それに魔法使いの老人が加わって口論している最中に斧を持った殺人鬼が現れた。ひょっこり、と付け足したくなるような唐突さだった。
母から教えつけられた
p.14
WEB:巨大な斧を持っているとも思えない軽やかな動きだ。
文庫:両手に斧を持っているとも思えない軽やかな動きだ。
p.14
WEB:叩きつけられようとしたところでハイジャンプ
文庫:それが叩きつけられようとしたところでチェルシーはハイジャンプ
p.15
WEB:刃の形状が小さくシャープな物になり
文庫:刃の形状が小さくシャープになり
p.16
WEB:新体操選手のように美しい姿勢で転がりながら叫んだ。
文庫:揉み合い、掴み合いという暴力的な現状を全く感じさせない、新体操選手のような美しい姿勢、声楽家のような美しい声で叫んだ。
p.17
WEB:どんぴしゃのタイミングで流星雨が降り注いだ。
文庫:どんぴしゃのタイミングで、女神の後方から流星雨が降り注いだ。
pp.17-18
WEB:三回くらいはぶっ飛ぶ破壊力の星が次々に顔面へぶつかり
文庫:三回くらいはぶっ飛ぶほどの破壊力で、星が次々に顔面へぶつかり
p.19
WEB:なのに後ろに下がり
文庫:後ろに下がり
p.19
WEB:逆に叩き落す
文庫:逆に叩き落とす
p.20
WEB:星飾りを上から下へ急角度で移動させ、掴んでいるチェルシーも同じように動く。
文庫:星飾りを上から下へ急角度で移動させた。掴んでいるチェルシーも星飾りに引っ張られて高速度で動き、攻撃を紙一重から二重くらいでかわす。
p.22
WEB:後ろ髪が切れ飛び
文庫:チェルシーの後ろ髪が切れ飛び
p.23
WEB:急降下から地面に落下する寸前まで高度を落とし、すれすれで墜落を避けて低い高度を保ったまま地面と水平に飛行する。
文庫:一気に急降下し、地面に激突する寸前で方向を変え、低い高度を保ったまま地面と水平に飛行する。
p.23
WEB:そしてなによりおかしいのが頑丈さだ。
文庫:そしてなにより頑丈さがおかしい。
p.23
WEB:どこが折れた風でもなく
文庫:どこか痛めた風でもなく
p.24
WEB:チェルシーはいよいよ弱っていた。
文庫:チェルシーはいよいよ進退窮まっていた。
p.30
WEB:テプセケメイの受け答えに対して
文庫:7753はテプセケメイの受け答えに対して
p.30
WEB:とりあえずクラリッサと合流しようぜ。
文庫:ひとまずクラリッサと合流しようぜ。
p.39
WEB:ナヴィはられ子に協力を要請するようになった。それとなく情報を流す、程度のものだ。なにか事が起こった時、
文庫:マイヤのガードはどこまでも固く、与し難しと見たか、程なくしてナヴィはられ子に協力を要請するようになった。背信というほど大袈裟な話ではなく、それとなく情報を流す、程度のものだ。られ子にとっても、なにか事が起こった時、
p.39
WEB:裏切りではなく処世術だ。とられ子は思っているが、それが通用する相手ばかりではないことを知っている。られ子の流した情報によって
文庫:これは裏切りではなく処世術だ。とられ子は思っているが、世間的にそれが通用しないことはよく知っている。られ子が流した情報によって
p.40
WEB:そう、マイヤの死には
文庫:そう、ここでのマイヤの死には
p.55
WEB:今、目下の敵である女神に矢を刺したとして、恋をする相手はチェルシーになる。
文庫:魔法を解除することなく女神に矢を刺したとしたら、女神が恋をする相手は順番的にチェルシーになる。
p.57
WEB:世界が変わったように感じている。
文庫:全てが変わったように感じている。
p.58
WEB:両腕で身体をかき抱いた。
文庫:後退りしながら両腕で身体をかき抱いた。
p.63
WEB:それは、
文庫:背中に声をかけられ、速度を落とさず振り返った。女神はその場で動かず、立ったままこちらを見つめている。それは、
p.66
WEB:キークのゲームに参加した「アカネ」という魔法少女は
文庫:キークの起こした集団監禁事件を調査したネフィーリアは知っている。死のゲームに参加させられた「アカネ」という魔法少女は
p.66
WEB:破壊の痕跡を見るに前者が濃い。
文庫:破壊の痕跡を見るに後者が濃い。
p.66
WEB:目を開いた
文庫:目を開くと
p.71
WEB:チェルシーメリーだけではない。
文庫:チェルシーとメリーだけではない。
p.72
WEB:魔法少女と同く
文庫:魔法少女と同じく
p.73
WEB:戦闘能力が高い種を作るように、長時間の労働にも耐えられる種を生み出すように、
文庫:長時間の労働にも耐えられる耐久力を予め組み込んでおくように、
p.81
WEB:実を消費するペースも上がっている。
文庫:実を消費するペース、つまり魔力を消費するペースも上がっている。
p.93
WEB:フランチェスカは採用されなかったものの
文庫:フランチェスカは完成しなかったものの
p.94
WEB:「予定変えるか。もうちょいかき回して欲しかったがここまでにしとこう。イオールに恩を売ることはできてるはずだしマイヤはもういねえ。それにこっちの仕事は終えた」
文庫:「予定変えるか。想定外のことが起きてんだから抑え気味にしておくくらいでちょうどいいわな。爺さんとイオールに恩を売ることはできてるはずだしマイヤはもういねえ。例のブツは隠しておいた。後はられ子待ちだ」
p.103
WEB:先までに
文庫:先程までに
p.112
WEB:それでも多少は手加減しているのだろうが
文庫:多少は手加減しているのだろうが
p.117
WEB:メリーが修正し、
文庫:メリーが修正する。
p.117
WEB:そしてサタボーンの趣味と実験場がどこまで介入したかを推測、頭の中で整理する。パステルメリーはこの島に来る時の条件について疑問を挟まれることが多かったと話した。
文庫:そしてサタボーンがどこまで趣味を通したか、実験場の介入がどのように行われたかを推測、頭の中で整理する。気付いたことならなんでもいえ、とラギに促されたパステルメリーは、相続者に手紙を渡して回っていた時に、この島に来る際の条件について疑問を挟まれることが多かったと話した。
p.118
WEB:灰色の実を大量に落としたのは
文庫:灰色の実を樹から大量に落としたのは
p.118
WEB:ナヴィ・ルと勝負しているかどうかもわからない。
文庫:誰と勝負しているのか、相手がナヴィ・ルなのかどうかもわからない。
p.126
WEB:動きを抑え込む。それにしたって、なにもかも抑え込めるわけではない。
文庫:動きを抑え込むのが関の山で、それにしたってなにもかも抑え込めるわけではない。
p.126
WEB:ラギが閑職に回されてなにもできない間に、人倫に反したことはしない、己の道を貫くという拘りを捨てないために、非道は止まらない。どれだけ汚い手を使ってもいい、自分が決定権を持つ立場にいなければならない。そう考えていれば違ったかもしれないのに、ラギはそう考えなかった。
文庫:人倫に反したことはしない、己の道を貫く、という拘りを捨てなかったためにラギは閑職に回された。不本意な手段、汚い手を使ってでも本流に残り、決定権を持つ立場にいれば、被害は減ったかもしれない、とは考えなかったのだろうか。
p.128
WEB:巻き込むこともなかった。
文庫:こんな事件に巻き込むこともなかった。
p.129
WEB:要注意人物として名前が控えられている者は数多いと聞いている。
文庫:要注意人物として名前が控えられている者は数多い。
p.130
WEB:遺言状を書き換えることはできない。
文庫:遺言状はサタボーンの魔法により保護されている。破ることも書き換えることもできない。
p.130
WEB:切り落として一口で飲み込み、
文庫:テプセケメイは実を一つ切り落として一口で飲み込み、
p.133
6行目から10行目にかけてマーガリート視点の書き下ろし追加描写。
p.140
WEB:━━気付いていない? なぜ?
文庫:━━目が合ったのに……全く反応していない?
p.140
WEB:なぜかこちらに気付かない。
文庫:なぜかこちらを気にしていない。
p.142
WEB:「こちらに気付いている様子がありませんでした」
文庫:「なぜかこちらに全く反応しませんでした」
p.143
WEB:「気付かれないなら……なにか、やりようが、あるかもしれません」
文庫:「認識されていないのだったら……なにか、やりようが、あるかもしれません」
p.143
WEB:やってられなかったのか。
文庫:やっていられなかったのか。
p.144
WEB:「なぜ相手はこちらを認識できていなかったのか」
文庫:「なぜ相手はこちらを認識していなかったのか」
p.149
WEB:ざわめているのに
文庫:ざわめいているのに
p.152
WEB:テプセケメイが口にした実は灰色の実ではない。
文庫:テプセケメイが口にした実は、真っ当な灰色の実ではない。
p.152
WEB:抱き起し
文庫:抱き起こし
p.153
WEB:マナは生かす。しかしお付きの魔法少女も同じように生かす必要はあまりない。
文庫:マナは生かす。
p.159
WEB:左手を顎に当てて考えた。なにもしないよりはいい。試してみる価値はある。
文庫:左手を顎に当てて考えた。
この島で不思議な力を持った物といえばまず灰色の実だが、と手持ちの実を掌に転がし眉をひそめた。テプセケメイの現状を見るに、残念ながらこれは当てにならない。ならばそれ以外だ。幸い、周囲には物がある。
p.166
WEB:道から外れて
文庫:道を外れて
p.191
WEB:損得勘定で動くことができるられ子だからこそ
文庫:損得勘定でしか動かないられ子だからこそ
p.195
WEB:肩から体当たりして
文庫:られ子は肩から体当たりして
p.200
WEB:パッションピンクと白のストライプ
文庫:パッションピンクと白と青のストライプ
p.255
WEB:見覚えのあるものが飛来した。
文庫:見覚えのあるものが飛来した。
灰色の実だ。反射的に手を伸ばし、掴み取っていた。声の方に目をやる。灰色の実を投げて寄越した統太は、一仕事終えたような、疲れた、それでいて満足そうな表情でこちらを見ていた。
p.265
WEB:持たせてくれこれを
文庫:持たせてくれたこれを
p.268
WEB:歯車をどうというのだろうか。
文庫:歯車をどうしたというのだろうか。
p.269
WEB:次同じことが起きれば、
文庫:もしもう一度同じことが起きれば、
p.274
WEB:相槌程度の短いものであっても驚いた。
文庫:相槌程度の短いものがあっただけでも驚いた。
p.277
WEB:♢七夜小鳥
文庫:♢7753
p.279
WEB:通り過ぎていく。
文庫:黒っぽい馬へと変化しながら通り過ぎていく。
p.284
WEB:なにが起きているのかわからない。
文庫:なにが起きているのか理解できない。
p.284
WEB:踏み潰したような声
文庫:踏み潰されたような声
p.294
WEB:いや、え?
文庫:いや、え? 私が?
p.296
WEB:♢七谷小鳥
文庫:♢7753
p.297
WEB:草をんでいる。
文庫:草を食んでいる。
p.307
WEB:ネフィーリアを澹とした気分にさせた。
文庫:ネフィーリアを暗澹とした気分にさせた。
p.307
WEB:つい先まで
文庫:つい先程まで
p.312
WEB:叩き落した。
文庫:叩き落とした。
p.315
WEB:耳をぎたくなる。
文庫:耳を塞ぎたくなる。
p.333
WEB:二人が加わった。
文庫:二人加わった。
p.346
WEB版21話p.5 9行目「木も土も吹き飛んだ」以降の文が後のマーガリート視点へと移り、文庫9~11行目にて新規描写(彼女は仕事をした。マーガリートはまだ仕事を終えていない。ここからだ)追加。
p.348
WEB:いているものの
文庫:蠢いているものの
p.349
WEB:をひらめかせて
文庫:細剣をひらめかせて
p.354
WEB:叩き落して
文庫:叩き落として
p.360
WEB:引き千切ろうとしたが、
文庫:自分から耳を引き千切ろうとしたが、
pp.381-384
WEB版22話p.17 1行目から7行目の文章と差し替わる形でナヴィ視点の書き下ろし追加描写。
p.391
WEB:小野寧々
文庫:尾野寧々
p.398
WEB:カバーしようと
文庫:カバーするため
p.436
7行目から11行目にかけて7753視点の書き下ろし追加描写。
p.452
3行目から15行目にかけてマナ視点の書き下ろし追加描写。
p.457
チェルシー視点の順序が変更。
WEB:メリー視点→チェルシー視点の順。
文庫:ネフィーリア視点の次に変更。
p.468
6行目から8行目にかけてナヴィ視点の書き下ろし追加描写。
p.472
7行目から12行目にかけてネフィーリア視点の書き下ろし追加描写。
p.472
WEB:無意識のうちに信頼してしまうものだ。
文庫:ナヴィのような悪党でも無意識のうちに信頼してしまうものだ。
pp.472-473
WEB:ラギを誘い、
文庫:ネフィーリアが島で経験したこと、ナヴィに関する推測、それにクラリッサの爪を使った言葉の再生を見せてラギを誘い、
p.473
WEB:老婆魔法使い
文庫:清廉潔白で馬鹿正直な老婆魔法使い
p.481
WEB:イオールだけは週一で来てくれた。
文庫:イオールだけはその後も週一で訪ねて来てくれた。