スノーホワイト/姫河小雪の容姿、コスチューム原作描写メモ

 

スノーホワイト

容姿、コスチューム

・無印 p.8(鳩田亜子視点)

 見るだけで心臓が高鳴るような美しい少女がそこにいた。夜の闇に浮かぶ透き通るような白い肌。配置されるべきに配置された完璧に整った目鼻立ち。笑顔がどことなくぎこちなく、美しい容姿と不慣れな笑顔とのアンバランスさがかえって愛らしく見えた。
 ただし扮装は風変わりだった。パッと見は学生服にも見えたが、アレンジが効き過ぎている。どちらかというとアニメや漫画のキャラクターのコスプレに近い。スカーフはフリルで縁取られ、プリーツスカートには白い花飾りが吊るされている。腕章には校章らしきものが描かれているが、少なくともこの辺りの学校ではない。オーバーニーにも同じ校章が……と思ったが、ニーソックスではなく白いブーツのようだ。月明りに照らされた輝くプラチナブロンドは、リボンと、これまた白い花飾りでいっぱいに彩られていた。

・無印 p.9(鳩田亜子視点)

 顔立ちは全然違うのに、その笑顔はまだ父と仲が良かった頃の亜子の母に似ていた。嬉しそうで、幸せそうで、見ている方も楽しくなる、そんな笑顔だ。

・無印 p.31

 学生服をモチーフとした白い魔法少女

・無印 pp.35-36(スノーホワイト視点)

 鏡の中には幼い頃に思い描いた魔法少女の姿があった。思い描くだけではなく、画用紙にその姿を描いたこともあった。当時流行っていた漫画の主人公が通う中学校の学生服をモデルにし、スノーホワイトの名が示す通り全体に真っ白く、そこかしこに白い花飾りが散らしてある。

・無印 p.36(スノーホワイト視点)

 鏡の中の魔法少女は美しかった。肌は透き通る白さで睫毛が長い。小雪とはまるで違うのに、自分であるということに違和感がなかった。

・無印 p.37(スノーホワイト視点)

 くるりと横に一回転し、それに合わせてスカートが翻った。もう少しスカートを長くしておけばよかったかもしれない。普段小雪が着ている制服に比べてスカートの丈が随分と短い。

・無印 p.41(スノーホワイト視点)

 スノーホワイトのキャラクターデザインは幼少期の小雪が画用紙に描いた「将来の夢」である魔法少女を元にしており

・無印 p.42(スノーホワイト視点)

 魔法少女に変身することで体格や容姿、外見年齢、身体能力が変化することは身をもって知っていたが

・無印 p.140(ラ・ピュセル視点:クラムベリーとの比較)

 クラムベリーの身体を飾る花々が揺れた。全身を彩る花はスノーホワイトを思わせたが、色合いは彼女の花飾りよりも濃く、鮮やかで、生々しかった。

・無印 p.265(スノーホワイト視点)

 スノーホワイトは腰に括っていた下げ緒代わりの革紐を引き千切り、魔法の端末を両手で掴んで目の前で捧げ持った。

・restart(前)p.47(キーク視点)

 もう一人は白い少女。学生服にも似た白のセーラー服とスカート、それに白い花飾りと古びた布の袋を腰に提げ、薙刀のような武器を構えている。

・restart(後)p.46(キーク視点)

 射竦めるような冷たい目

スノーホワイト育成計画 p.284(ピティ・フレデリカ視点)

 風で乱れるシルバーブロンド

・女騎士の孤独な戦い p.337(ラ・ピュセル視点)

 跳んだり跳ねたりといったことをするにも拘わらず、スカートがとても短い。ブーツとスカートの間の肌色部分につい目がいってしまう。

・JOKERS p.183(スタイラー美々視点)

 全体が白い魔法少女だった。学生服を基調とし、腕章や花飾りでポイントポイントを締めている。ブーツの質感が若干浮いている。カチューシャの蕾はもう少しだけ開いている方が見る者の目を楽しませるだろう

・JOKERS p.183(スタイラー美々視点)

 腰に提げた古い布袋は、元々のコスチュームではないようだ。それだけが極端に使い古されている。

・JOKERS p.184(スタイラー美々視点)

 学生服を基調とした白いコスチューム、電子妖精タイプのマスコットキャラクター、古びた布袋、それに可愛げのない態度。そうか、と腑に落ちた。噂で聞いた通りの見た目だ。

・JOKERS p.396(プリンセス・デリュージ視点)

 元々フィルルゥとスノーホワイトの顔立ちは似ているから難しくない

・JOKERS p.442(スノーホワイト視点)

 さらに濡れた下着や服が肌に張りついて数字以上の不快度数を感じていた。

・JOKERS p.448(シャドウゲール視点)

 全てを見透かされてしまうような、そんな目だ。

・FANBOOK p.4 マルイノ先生コメント

 一番中身と外見にギャップのないキャラクターになって良かったと思います。

・ACES p.40(うるる視点:幸子探索時)

 スノーホワイトは薄茶色のピーコートを着用。

・ACES pp.244-245(ダークキューティー視点)

 清浄さを示すような白一色のコスチュームに散らした花飾りは美しく、モチーフは学生服で、腕章等から委員長、風紀委員といったポジションを思わせる。悪を取り締まるという彼女の生き方にぴったり合っているように思えた。

・ACES p.245(ダークキューティー視点)

 スノーホワイトの表情から感情を窺い知ることはできない。怒りも、喜びも、悲しみも感じない。凪のように静かで、顔の上には目鼻立ちがあるだけだ。

・アリス・イン・ハードゴアドリーム p.221(ねむりん視点)

 学生服モチーフのコスチューム、全体が白く、可愛らしい兎耳のカチューシャを頭につけた少女━━兎耳以外はねむりんが知っている魔法少女にそっくりだった。

・黒い少女と女騎士 p.73(ハードゴア・アリス視点)

 小さな声で「とても可愛いし」と付け加え、勝手に頬を赤らめていた。

・魔王塾主催 地獄クリスマスパーティー p.20(レーテ視点)

 膨らみかけた蕾の花飾りに学生服風の白いコスチュームという全体の可愛らしさに反し、あるかないかわからないくらいに表情が薄い。というより暗い。

・魔王塾主催 地獄クリスマスパーティー p.21(レーテ視点)

 花飾りの魔法少女の瞳は、ただ暗く沈んでいたように見えた。しかし「悪いことを考えている人はいない」と話した時、思わず射竦められる程に双眸は清く澄んでいた。それでいて綺麗なものだけを見てきたわけではない強さがあり、しかし荒んでいるわけではない。

魔法少女暗殺計画 p.245(スノーホワイト視点)

 スノーホワイトの頭を飾る花飾りがパッと弾けた。首元のタイが切れ落ち

・黒 p.233(スノーホワイト視点)

 長テーブルの上にタオルをのせ、ブーツを脱ぎ、足をタオルの上に置いて椅子の背もたれに寄りかかった。 

 

・無印 p.8(鳩田亜子視点)

 場違いに可愛らしい女の子の声だった。

 

匂い

・無印 p.8(鳩田亜子視点)

 風が舞い上がり、果物に似た香りが亜子の鼻腔をくすぐった。

 

視力

・無印 p.40(スノーホワイト視点)

 魔法少女は夜目が利く。月のない闇夜でも昼と同様に見通すことができる。

・無印 p.64(スノーホワイト視点)

 魔法少女の視力であれば、鉄塔の上からでも海がよく見える。

 

姫河小雪

容姿

・無印 p.12

 大人しそうな少女

・無印 p.36(スノーホワイト視点)

 愛嬌があるといわれたことはあっても美人だといわれたことはない小雪

・無印 p.126(姫河小雪視点)

 小雪は大きくなると「お父さんに似てきたね」といわれることが増えたが、自分ではどこが似ているのかわからない。

スノーホワイト育成計画 p.283(ピティ・フレデリカ視点)

 小雪の自室、カーペットの上に落ちていた髪の毛を拾い上げた。

 キューティクル。匂いもいい。そのまま口の中に収めてしまえそうだ。

スノーホワイト育成計画 p.284(ピティ・フレデリカ視点)

 上の空でいるのが多いこと以外は、どこにでもいるような中学生だった。それなりに真面目に授業を受ける。友達もいる。潤いはそれほどない。勉強が仕事の中学二年生だ。学生鞄、ハイソックス、スカーフ、プリーツスカート、そういったパーツの一つ一つに郷愁を覚えるのは私の年齢故か。

・女騎士の孤独な戦い p.343(岸辺颯太視点)

 小柄な少女

・JOKERS p.46(ファル視点)

  小柄な小雪

・Primula farinosa p.129(袋井真理子視点)

 目立つタイプではない。むしろ地味だ。服装も髪型もしっかりと校則の範囲内に収まっている。

・Primula farinosa p.130(袋井真理子視点)

 地下の時とは状況が違うせいか、表情が柔らかい。本当にただの女の子に見える。

・Primula farinosa p.135(袋井真理子視点)

 小雪は屈託なく笑い、話し、ごく普通のどこにでもいる高校生として生きているように見えた。

・TVアニメ オフィシャルファンブック 変身前キャラクター原案 p.94

 髪:ちょっとだけながい

 スカート:ひざにかかるかかからないくらい

 靴:田舎なら白シューズ 都会っ子ならローファー

・黒 p.313

 小柄な少女は、頭を下げ、すぐに上げた。声も、態度も、佇まいも、顔立ちまで、どこか大人びているように思えた。

書籍版 魔法少女育成計画breakdown(後)感想

 第十一章に当たるWEB版11話掲載当時(2018年2月)は平昌オリンピックの時期だったからチェルシーダブルアクセルとトリプルトゥループがタイムリーに感じた記憶や22話から週間連載になってbdとチェンソーマンが毎週読める時期が存在したの凄かった等々、初読時の感情も蘇りつつ読み終えました魔法少女育成計画 breakdown(後)。

 記事タイトルに書籍版と付けているのは連載中も連載終了直後もWEB版の感想を書き記していたので区別するため。今回で多分最後のbd感想記事になるのかと思うと感慨深い。

 

 応募券、前編の恋々を見た時点で恐らく後編はネフィだろうな、ネフィだったらいいなと予想しておりましたが、本当にその二人でほっぺすりすりでしかも切手枠にメリーもいて、好きです凝ったハガキ。「おそれいりますが63円分の切手をお貼りください(泣き顔メリー)」でメリーが泣いている理由はかつて(4年前)質問を募集した頃に丁度郵便はがき料金の値上げがあって誤送が多かったのが起因しているのではと深読みしております。その次のベストバウト投票では郵送募集消えていたので。

 次いで挿絵の話。月並みな感想だけど、られ子の挿絵が修復エフェクトも相俟ってとてもかっこよかった。喜びとしてのイエロー憂いを帯びたブルー。「魔法少女が魔法を発動する瞬間」はこんなにも良いのに自身の想像上で脳のリソースを上手く割けれた経験があまりなく、だからこそ絵として可視化していただいたことで魅入りました。神以てありがとうございますマルイノ先生。

 マイヤられ子は書籍化に伴い特に見識が更新された魔法少女で、マイヤさんが死して尚「マイヤは強かった」「マイヤだけがられ子のことを気にしてくれた」「マイヤに比べて威力が劣る」とずっとマイヤ、マイヤ、マイヤ。詮方なくマイヤの仇と戦いマイヤの形見を使用してマイヤとの一体感を感じつつマイヤのオリジナル技を放ち、最後の最後もマイヤの顔を浮かべ呟いた言葉が本人由来の毒づきという趨勢と関係にある種の趣を感じて、られ子の最期の文章好きなんだよなあと再読で反芻した。

  ドラマCDの感想はふせったーで既に書いたので割愛。魔法少女PROFILEの話へ。イオール家の新人メイドなんかは二人の本名を知った時に親子だと勘違いしたりしたのかな。マイヤさんが実の母か聞かれたら霰ちゃんすごく嫌な顔しそう。クラリッサの好物、「バターたっぷりのパンが好きだけど自分が貰えないことに不平不満を言わない偉さ」と「やらねえよと言われたもののあの後なんやかんやでナヴィに分けて貰って食べたら好物になった」のどっちで解釈していいのか迷う。巻末ファンページの方の7753はゴーグル装着している芸コマいいよねいい。

 

 breakdownはシリーズで特に読み返す機会が多かったので、大方の描写は記憶に新しく、それでもやっぱり何度読んでも「今から魅せてあげる。あなたの知らない可愛らしさを」とチェルシーが蘇るシーンで心身ともに興奮し、死ぬほど頑張った統太君に対するマーガリートさんの最期の「よくやった」独白で涙ぐみ、そういった色褪せない感想を抱けてよかった。漫画や小説を糧にしないと生きていけない人間故に、芯に迫る読書経験が貴重に感じる。来年再来年の自分は元気に生きているのか全く分からないけれど、せめてスノーさんの物語の行く末は見たいとbdラストで思いました。

breakdown(後)のWEB版から文庫版への加筆・修正箇所

pp.5-12

 書き下ろしプロローグ

p.13

WEB:母から教えつけられた

文庫:チェルシーとメリー、それに魔法使いの老人が加わって口論している最中に斧を持った殺人鬼が現れた。ひょっこり、と付け足したくなるような唐突さだった。

 母から教えつけられた

p.14

WEB:巨大な斧を持っているとも思えない軽やかな動きだ。

文庫:両手に斧を持っているとも思えない軽やかな動きだ。

p.14

WEB:叩きつけられようとしたところでハイジャンプ

文庫:それが叩きつけられようとしたところでチェルシーはハイジャンプ

p.15

WEB:刃の形状が小さくシャープな物になり

文庫:刃の形状が小さくシャープになり

p.16

WEB:新体操選手のように美しい姿勢で転がりながら叫んだ。

文庫:揉み合い、掴み合いという暴力的な現状を全く感じさせない、新体操選手のような美しい姿勢、声楽家のような美しい声で叫んだ。

p.17

WEB:どんぴしゃのタイミングで流星雨が降り注いだ。

文庫:どんぴしゃのタイミングで、女神の後方から流星雨が降り注いだ。

pp.17-18

WEB:三回くらいはぶっ飛ぶ破壊力の星が次々に顔面へぶつかり

文庫:三回くらいはぶっ飛ぶほどの破壊力で、星が次々に顔面へぶつかり

p.19

WEB:なのに後ろに下がり

文庫:後ろに下がり

p.19

WEB:逆に叩き落す

文庫:逆に叩き落とす

p.20

WEB:星飾りを上から下へ急角度で移動させ、掴んでいるチェルシーも同じように動く。

文庫:星飾りを上から下へ急角度で移動させた。掴んでいるチェルシーも星飾りに引っ張られて高速度で動き、攻撃を紙一重から二重くらいでかわす。

p.22

WEB:後ろ髪が切れ飛び

文庫:チェルシーの後ろ髪が切れ飛び

p.23

WEB:急降下から地面に落下する寸前まで高度を落とし、すれすれで墜落を避けて低い高度を保ったまま地面と水平に飛行する。

文庫:一気に急降下し、地面に激突する寸前で方向を変え、低い高度を保ったまま地面と水平に飛行する。

p.23

WEB:そしてなによりおかしいのが頑丈さだ。

文庫:そしてなにより頑丈さがおかしい。

p.23

WEB:どこが折れた風でもなく

文庫:どこか痛めた風でもなく

p.24

WEB:チェルシーはいよいよ弱っていた。

文庫:チェルシーはいよいよ進退窮まっていた。

p.30

WEB:テプセケメイの受け答えに対して

文庫:7753はテプセケメイの受け答えに対して

p.30

WEB:とりあえずクラリッサと合流しようぜ。

文庫:ひとまずクラリッサと合流しようぜ。

p.39

WEB:ナヴィはられ子に協力を要請するようになった。それとなく情報を流す、程度のものだ。なにか事が起こった時、

文庫:マイヤのガードはどこまでも固く、与し難しと見たか、程なくしてナヴィはられ子に協力を要請するようになった。背信というほど大袈裟な話ではなく、それとなく情報を流す、程度のものだ。られ子にとっても、なにか事が起こった時、

p.39

WEB:裏切りではなく処世術だ。とられ子は思っているが、それが通用する相手ばかりではないことを知っている。られ子の流した情報によって

文庫:これは裏切りではなく処世術だ。とられ子は思っているが、世間的にそれが通用しないことはよく知っている。られ子が流した情報によって

p.40

WEB:そう、マイヤの死には

文庫:そう、ここでのマイヤの死には

p.55

WEB:今、目下の敵である女神に矢を刺したとして、恋をする相手はチェルシーになる。

文庫:魔法を解除することなく女神に矢を刺したとしたら、女神が恋をする相手は順番的にチェルシーになる。

p.57

WEB:世界が変わったように感じている。

文庫:全てが変わったように感じている。

p.58

WEB:両腕で身体をかき抱いた。

文庫:後退りしながら両腕で身体をかき抱いた。

p.63

WEB:それは、

文庫:背中に声をかけられ、速度を落とさず振り返った。女神はその場で動かず、立ったままこちらを見つめている。それは、

p.66

WEB:キークのゲームに参加した「アカネ」という魔法少女

文庫:キークの起こした集団監禁事件を調査したネフィーリアは知っている。死のゲームに参加させられた「アカネ」という魔法少女

p.66

WEB:破壊の痕跡を見るに前者が濃い。

文庫:破壊の痕跡を見るに後者が濃い。

p.66

WEB:目を開いた

文庫:目を開くと

p.71

WEB:チェルシーメリーだけではない。

文庫:チェルシーとメリーだけではない。

p.72

WEB:魔法少女と同く

文庫:魔法少女と同じく

p.73

WEB:戦闘能力が高い種を作るように、長時間の労働にも耐えられる種を生み出すように、

文庫:長時間の労働にも耐えられる耐久力を予め組み込んでおくように、

p.81

WEB:実を消費するペースも上がっている。

文庫:実を消費するペース、つまり魔力を消費するペースも上がっている。

p.93

WEB:フランチェスカは採用されなかったものの

文庫:フランチェスカは完成しなかったものの

p.94

WEB:「予定変えるか。もうちょいかき回して欲しかったがここまでにしとこう。イオールに恩を売ることはできてるはずだしマイヤはもういねえ。それにこっちの仕事は終えた」

文庫:「予定変えるか。想定外のことが起きてんだから抑え気味にしておくくらいでちょうどいいわな。爺さんとイオールに恩を売ることはできてるはずだしマイヤはもういねえ。例のブツは隠しておいた。後はられ子待ちだ」

p.103

WEB:先までに

文庫:先程までに

p.112

WEB:それでも多少は手加減しているのだろうが

文庫:多少は手加減しているのだろうが

p.117

WEB:メリーが修正し、

文庫:メリーが修正する。

p.117

WEB:そしてサタボーンの趣味と実験場がどこまで介入したかを推測、頭の中で整理する。パステルメリーはこの島に来る時の条件について疑問を挟まれることが多かったと話した。

文庫:そしてサタボーンがどこまで趣味を通したか、実験場の介入がどのように行われたかを推測、頭の中で整理する。気付いたことならなんでもいえ、とラギに促されたパステルメリーは、相続者に手紙を渡して回っていた時に、この島に来る際の条件について疑問を挟まれることが多かったと話した。

p.118

WEB:灰色の実を大量に落としたのは

文庫:灰色の実を樹から大量に落としたのは

p.118

WEB:ナヴィ・ルと勝負しているかどうかもわからない。

文庫:誰と勝負しているのか、相手がナヴィ・ルなのかどうかもわからない。

p.126

WEB:動きを抑え込む。それにしたって、なにもかも抑え込めるわけではない。

文庫:動きを抑え込むのが関の山で、それにしたってなにもかも抑え込めるわけではない。

p.126

WEB:ラギが閑職に回されてなにもできない間に、人倫に反したことはしない、己の道を貫くという拘りを捨てないために、非道は止まらない。どれだけ汚い手を使ってもいい、自分が決定権を持つ立場にいなければならない。そう考えていれば違ったかもしれないのに、ラギはそう考えなかった。

文庫:人倫に反したことはしない、己の道を貫く、という拘りを捨てなかったためにラギは閑職に回された。不本意な手段、汚い手を使ってでも本流に残り、決定権を持つ立場にいれば、被害は減ったかもしれない、とは考えなかったのだろうか。

p.128

WEB:巻き込むこともなかった。

文庫:こんな事件に巻き込むこともなかった。

p.129

WEB:要注意人物として名前が控えられている者は数多いと聞いている。

文庫:要注意人物として名前が控えられている者は数多い。

p.130

WEB:遺言状を書き換えることはできない。

文庫:遺言状はサタボーンの魔法により保護されている。破ることも書き換えることもできない。

p.130

WEB:切り落として一口で飲み込み、

文庫:テプセケメイは実を一つ切り落として一口で飲み込み、

p.133

 6行目から10行目にかけてマーガリート視点の書き下ろし追加描写。

p.140

WEB:━━気付いていない? なぜ?

文庫:━━目が合ったのに……全く反応していない?

p.140

WEB:なぜかこちらに気付かない。

文庫:なぜかこちらを気にしていない。

p.142

WEB:「こちらに気付いている様子がありませんでした」

文庫:「なぜかこちらに全く反応しませんでした」

p.143

WEB:「気付かれないなら……なにか、やりようが、あるかもしれません」

文庫:「認識されていないのだったら……なにか、やりようが、あるかもしれません」

p.143

WEB:やってられなかったのか。

文庫:やっていられなかったのか。

p.144

WEB:「なぜ相手はこちらを認識できていなかったのか」

文庫:「なぜ相手はこちらを認識していなかったのか」

p.149

WEB:ざわめているのに

文庫:ざわめいているのに

p.152

WEB:テプセケメイが口にした実は灰色の実ではない。

文庫:テプセケメイが口にした実は、真っ当な灰色の実ではない。

p.152

WEB:抱き起し

文庫:抱き起こし

p.153

WEB:マナは生かす。しかしお付きの魔法少女も同じように生かす必要はあまりない。

文庫:マナは生かす。

p.159

WEB:左手を顎に当てて考えた。なにもしないよりはいい。試してみる価値はある。

文庫:左手を顎に当てて考えた。

 この島で不思議な力を持った物といえばまず灰色の実だが、と手持ちの実を掌に転がし眉をひそめた。テプセケメイの現状を見るに、残念ながらこれは当てにならない。ならばそれ以外だ。幸い、周囲には物がある。

p.166

WEB:道から外れて

文庫:道を外れて

p.191

WEB:損得勘定で動くことができるられ子だからこそ

文庫:損得勘定でしか動かないられ子だからこそ

p.195

WEB:肩から体当たりして

文庫:られ子は肩から体当たりして

p.200

WEB:パッションピンクと白のストライプ

文庫:パッションピンクと白と青のストライプ

p.255

WEB:見覚えのあるものが飛来した。

文庫:見覚えのあるものが飛来した。

  灰色の実だ。反射的に手を伸ばし、掴み取っていた。声の方に目をやる。灰色の実を投げて寄越した統太は、一仕事終えたような、疲れた、それでいて満足そうな表情でこちらを見ていた。

p.265

WEB:持たせてくれこれを

文庫:持たせてくれたこれを

p.268

WEB:歯車をどうというのだろうか。

文庫:歯車をどうしたというのだろうか。

p.269

WEB:次同じことが起きれば、

文庫:もしもう一度同じことが起きれば、

p.274

WEB:相槌程度の短いものであっても驚いた。

文庫:相槌程度の短いものがあっただけでも驚いた。

p.277

WEB:♢七夜小鳥

文庫:♢7753

p.279

WEB:通り過ぎていく。

文庫:黒っぽい馬へと変化しながら通り過ぎていく。

p.284

WEB:なにが起きているのかわからない。

文庫:なにが起きているのか理解できない。

p.284

WEB:踏み潰したような声

文庫:踏み潰されたような声

p.294

WEB:いや、え?

文庫:いや、え? 私が?

p.296

WEB:♢七谷小鳥

文庫:♢7753

p.297

WEB:草をんでいる。

文庫:草を食んでいる。

p.307

WEB:ネフィーリアを澹とした気分にさせた。

文庫:ネフィーリアを暗澹とした気分にさせた。

p.307

WEB:つい先まで

文庫:つい先程まで

p.312

WEB:叩き落した。

文庫:叩き落とした。

p.315

WEB:耳をぎたくなる。

文庫:耳を塞ぎたくなる。

p.333

WEB:二人が加わった。

文庫:二人加わった。

p.346

 WEB版21話p.5 9行目「木も土も吹き飛んだ」以降の文が後のマーガリート視点へと移り、文庫9~11行目にて新規描写(彼女は仕事をした。マーガリートはまだ仕事を終えていない。ここからだ)追加。

p.348

WEB:いているものの

文庫:蠢いているものの

p.349

WEB:をひらめかせて

文庫:細剣をひらめかせて

p.354

WEB:叩き落して

文庫:叩き落として

p.360

WEB:引き千切ろうとしたが、

文庫:自分から耳を引き千切ろうとしたが、

pp.381-384

 WEB版22話p.17 1行目から7行目の文章と差し替わる形でナヴィ視点の書き下ろし追加描写。

p.391

WEB:小野寧々

文庫:尾野寧々

p.398

WEB:カバーしようと

文庫:カバーするため

p.436

 7行目から11行目にかけて7753視点の書き下ろし追加描写。

p.452

 3行目から15行目にかけてマナ視点の書き下ろし追加描写。

p.457

 チェルシー視点の順序が変更。

WEB:メリー視点→チェルシー視点の順。

文庫:ネフィーリア視点の次に変更。

p.468

 6行目から8行目にかけてナヴィ視点の書き下ろし追加描写。

p.472

 7行目から12行目にかけてネフィーリア視点の書き下ろし追加描写。

p.472

WEB:無意識のうちに信頼してしまうものだ。

文庫:ナヴィのような悪党でも無意識のうちに信頼してしまうものだ。

pp.472-473

WEB:ラギを誘い、

文庫:ネフィーリアが島で経験したこと、ナヴィに関する推測、それにクラリッサの爪を使った言葉の再生を見せてラギを誘い、

p.473

WEB:老婆魔法使い

文庫:清廉潔白で馬鹿正直な老婆魔法使い

p.481

WEB:イオールだけは週一で来てくれた。

文庫:イオールだけはその後も週一で訪ねて来てくれた。

breakdown(前)のWEB版から文庫版への加筆・修正箇所

pp.7-11

 書き下ろしプロローグ

p.13

WEB:見た目年齢相応以上に肥え、

文庫:見た目年齢相応以上に肥えていた。

p.14

WEB:そこから先は水平線まで

文庫:その先は水平線まで

p.24

WEB:事故ちゃった人の縁者の皆さんが

文庫:事故っちゃった人の縁者の皆さんが

p.27

WEB:相手は音に聞こえた「クラムベリーの子供達」であり、「魔王塾」にも通っていたという。

文庫:相手は殺し合いを経験している「クラムベリーの子供達」であり、荒くれ魔法少女の集い「魔王塾」にも通っていたという。

p.32

WEB:かげながら尊敬していた

文庫:かげながら尊敬されていた

p.44

WEB:明るい職場です

文庫:明るくアットホームな職場です

p.48

WEB:魔法使いが遺産相続にいくため

文庫:魔法使いが遺産相続の場に行くため

p.61

WEB:お客様の訪いよりも早く片付けなければならないはずなのに、既にお客様は何組か到着しているらしいのだ。来訪したお客様を直接目にしたわけではないが、

文庫:お客様の訪いよりも早く片付けなければならないはずなのに、明日になればお客様が来てしまう。

 ※当日から前日に変更。日時関連の変更は以降にも影響。

p.61

WEB:島の端から端まで距離にして約十キロ

文庫:歩いても歩いても島の端から端まで辿り着かず

p.73

WEB:小半らを一息で飲み干し

文庫:小半を一息で飲み

pp.73-74

WEB:「常日頃から魔法に頼り切るというのはいかがなものかと私も思う」

「でしょう」

文庫:「常日頃から魔法に頼り切るというのはいかがなものかと私も思う」

「でしょう」

「とはいえ、それを認めることは難しい」

「ええー、そうかなあ、そんなことないと思うけどなあ」

p.74

WEB:「しかし……君は一つ勘違いしているね」

文庫:「君は一つ勘違いしているね」

p.74

WEB:魔法使いがもうじきこの島に押しかけてくる。いや、何組かはもう来ている。

文庫:魔法使いがもうじきこの島に押しかけてくる。

p.75

WEB:「すいませんでした……魔法少女でいいです……」

文庫:「すいませんでした……魔法少女でいいです……」

「随分と不満そうだが」

「いえ、別にそんなことは……ありますけど」

「あるのか」

「あるけど、まあ、我慢します」

p.75

WEB:「え? あれ? そ、そうです……か?」

文庫:「え? あれ? そ、そうです……かね?」

p.77

WEB:気難しい人ばっかりなんでしょう?」

文庫:気難しい人ばっかりなんでしょう?」

「ならば訊くがね。そういう気難しい方々の前にあれを出せというのかね」

「いや、それは、ちょっと、ううん」

p.77

WEB:メリーのようなぎこちなさがない

文庫:メリーのようなぎこちなさはない

p.82

WEB:恐らくは実験かなにかに使うためか。

文庫:恐らくは実験かなにかに使う用途で植えられているのか。

p.86

WEB:父の同門の兄弟子だ

文庫:父がごく短い期間師事していただけだ

p.86

WEB:「食べると元気が出る」

文庫:「食べると元気が出る」

「そりゃ食べ物を食べれば元気が出るかもしれないけど」

「生き物の基本」

「でも魔法少女って食べなくてもいいはずじゃ」

「生き物の基本を忘れてはならない」

p.89

WEB:弟弟子の娘

文庫:にわか弟子の娘

p.98

WEB:あっしのご主人さんが

文庫:あたしのご主人さんが

p.134

WEB:階級が上にいけばいくほど

文庫:魔法使いは階級が上にいけばいくほど

p.136

WEB:右側に立って

文庫:イオールの右側に立って

p.137

 6行目から14行目にて、マーガリートから見たマイヤ強者評の書き下ろし描写。

p.139

WEB:マイヤとは魔王塾主催のイベントで

文庫:マイヤとは「魔王塾」主催の格闘大会<イベント>で

pp.139-146

WEB:どちらかが動けなくなるまで戦ったという経験はない。が、彼女の持つ魔法の鋼鉄ステッキが数多の魔王塾塾生の血を吸っているということはマーガリートも知っていた。そして実力が衰えている、ということはなさそうだった。こうして二人きりで相対していると思わず剣に手が伸びかける、大体にしてマイヤの殺気が悪い。

文庫:上記WEB版の地の文と差し替わる形でp.139 8行目からp.146 1行目にかけてマイヤ書き下ろし戦闘シーン、アンナマリーのビジュアル、魔法、戦闘スタイル等の描写。

p.147

WEB:お前の主を立ててやらなくもない」

文庫:お前の主を立ててやらなくもない」

 イベントの場では、狩り以外なにも知らない野性の獣のようだった。今は困り事を多く抱えた社会人に見える。時間が彼女を変えたのか、それともオンとオフで顔を使い分けているのか。マーガリートは頷き、先を続けるよう促した。

p.154

WEB:そんなことよりなんでメリーまで来たの

文庫:そんなことよりなんでメリーちゃんまで来たの

p.165

WEB:オートメーションを使用しての加工に等しく

文庫:オートメーションの加工に等しく

p.166

WEB:陽の光に目を眇める。この日差し──もう夕方か。

文庫:陽の光に目を眇める。

p.166

WEB:ここまで至れば根源的喜びに根差した創作活動と称してしかるべきだ。

文庫:ここまで至れば最早芸術である。

p.170

WEB:手を振って走ってくる。

文庫:抱えていた木箱を乱暴に投げ置いた。驚きの表情で、弾かれたようにこちらへ駆けてくる。

p.171

WEB:なんでわかるんですか?」

文庫:なんでわかるんですか?」

「それはだね」

p.172

WEB:「当て推量だ」

「ははあ」

文庫:「当て推量だ」

「ははあ」

「こういうのは初見の印象が一番頼りになるんだよ」

「そういうもんですか」

「まあね。誰かを雇うということは人物を見る目が必要になるからね」

「なるほど」

pp.173-174

WEB:「魔法使いの皆さんが倒れちゃって、魔法少女の皆さんの変身が解けちゃって」

 ひょっとしてシェパーズパイの体調不良も原因はそれだろうか。病気か、ガスか、それとも別の原因があるのか。本館のシステムについてはそれなりに覚えてきたが、島の全てに関して完璧に熟知しているとは言い難い。

文庫:「昨晩なんですけど、魔法使いの皆さんが倒れちゃって、魔法少女の皆さんの変身が解けちゃって」

 いわれてみれば陽光が東から差している。これは朝日だ。寝込むにしても時間が長過ぎる。魔法使いが倒れたということに関係しているのか。本館のシステムについてはそれなりに覚えてきたが、島の全てに関して完璧に熟知しているとは言い難い。

「それは大変じゃないか」

「だから大変なんですってば」

「いったいどういうことなんだ」

p.178

WEB:おひるごはんの時間はさっき終わったのに

文庫:朝ごはんの時間はさっき終わったのに

p.178

WEB:「他の人はおひるごはんだけで事足りてるじゃないですか」

文庫:「他の人は晩ごはんと朝ごはんで事足りてるじゃないですか」

p.181

WEB:とにかく腹に詰め込んだ。

文庫:とにかく腹に詰め込んだ。

 右往左往しながら時間ばかり経過し、暗い中出歩くわけにもいかずとりあえず休息をとなったものの、朝になったからといって物事が解決したりはせず、魔法使い達は昏々と眠ったままだった。そしてテプセケメイも戻ってきてはいない。

p.181

WEB:ネフィーリア、らぶみー恋々、られ子の四人は、火かき棒、鉈、スコップ、バールでそれぞれ武装し、門を目指して外に出た。

文庫:ネフィーリア、らぶみー恋々、られ子、マイヤの四人は、火かき棒、鉈、スコップ、バールでそれぞれ武装し、朝早くから門を目指して外に出た。

p.183

WEB:「呼んでいます」

文庫:「呼んでいます」

「えっ……ああ」

p.186

WEB:マナの荷物は黒いボストンバッグにダークグレーのスーツケースと少女らしさはないが

文庫:マナの荷物は黒いボストンバッグにミルクホワイトのスーツケースと少女らしさはないが

p.189

WEB:七夜小鳥は変身が解除された時と同じように

文庫:七谷小鳥は変身が解除された時と同じように

p.192

WEB:「設定はどうします?」

文庫:「どんなパラメーターを見る設定にします?」

p.195

WEB:陽の光は刺すように強い。

文庫:陽の光は徐々に強さを増してきている。

p.198

WEB:「ねえ、LINE教えて」

「えっ」

文庫:「ねえ、LINE教えて」

「えっ」

魔法少女用のSNSを使ってるとか? Magitter? Mine? それともLightningramだったり? そっちでもいいよ」

「そういうことでは」

p.199

WEB:静かに首を横に振った。

文庫:言葉もなく首を横に振った。

p.202

WEB:こちらを皆殺しにできる相手が正気ではない

文庫:こちらを皆殺しにできる相手の気が違っている

p.203

WEB:ふわふわと近付いてくる

文庫:ふわふわと近付いくる

p.203

WEB:ぎゅうぎゅうに詰めてある灰色の物体を

文庫:ぎゅうぎゅうに詰めてある灰色の果実を

p.210

WEB:マイヤが使う鋼鉄ステッキだった。

 身をかがめ、岩に手を置き、周囲を窺った。気配は無い。罠の痕跡は? それも無い。

文庫:マイヤが使う鋼鉄ステッキだった。

p.210

WEB:マーガリートは死体に剣先をかけ

文庫:マーガリートは死体に手をかけ

p.211

WEB:剣でステッキを弾いて拾い上げ

文庫:ステッキを拾って

p.213

WEB:数時間前に発生した一連の

文庫:昨日午後発生した一連の

p.215

WEB:面倒な造り

文庫:面倒な作り

pp.223-227

 書き下ろしクランテイル視点

p.234

WEB:辿り着くことは未だもってできていない。

文庫:辿り着くことは今もってできていない。

p.250

WEB:頷いていてたアグリ

文庫:頷いていたアグリ

pp.257-261

 書き下ろしられ子視点

p.273

WEB:引っ込んでろとという言葉

文庫:引っ込んでろという言葉

p.298

WEB:爬虫類くらいにいは

文庫:爬虫類くらいには

p.306

WEB:どこにいるかも殺人鬼を

文庫:どこにいるかもわからない殺人鬼を

p.307

WEB:お願いするという細やかさは抜け落ちた。

文庫:お願いするという気配りは抜け落ちた。

p.312

WEB:訓練された動きではなかった。というより蹴りと呼べるものではなかった。

文庫:蹴りと呼べるものではなかった。

p.315

WEB:三回転から

文庫:三回転してから

p.329

WEB:マーガリートと残るなら

文庫:マーガリートとその場に残るのを比べれば

p.329

WEB:落着いた。

文庫:落ち着いた。

p.334

WEB:ここへ来た時比べると

文庫:ここへ来た時と比べると

p.360

WEB:動くことができない。

文庫:動けない。

p.373

WEB:魔法使いでも魔法少女もない

文庫:魔法使いでも魔法少女でもない

pp.374-376

 書き下ろしラギとサタボーンの思い出話

p.394

WEB:最もたる理由

文庫:最たる理由

pp.425-427

 書き下ろしナヴィ視点

p.436

WEB:マントを使い跳ね

文庫:マントを使って跳ね

p.437

WEB:足の運びは悪い。

文庫:足の運びは稚拙だ。

p.437

WEB:周囲の木々に斬りつけ、表皮を削ぎ落とし

文庫:周囲の木々の表皮を削ぎ落とし

p.438

WEB:迎撃するには音くらいしか頼りにできない状況だというのに

文庫:察知するには音くらいしか頼りにできないというのに

p.440

WEB:──十中八九、斧の変化が固有の魔法だな。

文庫:──十中八九、斧を変化させるというのが固有魔法だな。

p.441

WEB:順を追ってブレを押し広げていく。

文庫:少しずつ女神のブレを押し広げていく。

p.445

WEB:空気の弾丸が肩に着弾し、

文庫:空気の弾丸が女神の肩に着弾し、

p.455

 pp.223-227の書き下ろしクランテイル視点で交わした会話に応じた台詞内容がネフィとの契約後の会話に4行目から7行目にて追加。

p.457

WEB:ラギとしては怒りはどこに由来しようと怒りは怒りなのだ。

文庫:ラギとしてはどこに由来しようと怒りは怒りなのだ。

p.458

WEB:ナヴィ・ルやその係累よりは信頼できる

文庫:ナヴィ・ルやその手下よりは信頼できる

p.459

WEB:それはね、契約書なんだよ」

文庫:それはね、契約書なんだよ」

「契約書だと?」

「そういったじゃん。意味わかんないわけじゃないよね?」

p.479

WEB:法的にいえば責任能力が無い状態といっても過言ではないだろう。

文庫:法的にいえば責任能力が無い状態だ。

p.494

WEB:恐らくは下半身を動物に変化させる魔法だ。尻尾のあるもの限定だったり変身回数に限度があったりという制限はあるかもしれないが、今はそちらに期待すべきではない。

文庫:恐らくは下半身を動物に変化させる魔法だ。

p.494

WEB:叩き落してやればいい。

文庫:叩き落としてやればいい。

p.497

WEB:下方向に向けて跳ぶ。上に向けて跳んでいた

文庫:下方向に跳ぶ。上に向かって跳んでいた

pp.507-510

 書き下ろしられ子視点。られ子視点の二つの書き下ろしは後編に当たるWEB版11話のられ子視点と一部共通しているものの描かれ方は異なる為、順序がそのまま繰り下がってはいない。

 

 p.87「被りついた」→「かぶりついた」、p.146「しわ」→「皺」等の言葉の意味として変わらない漢字と平仮名に関する変更やルビ振りは省略。

 p.132 p.293「下剋上羽菜」、p.321「小野寧々」修正無し。

書籍版 魔法少女育成計画breakdown(前)感想

 第六章のチェルシーがメリーを助けに行く場面と無印のエピローグ終了が同じページ数と見るとその分厚さが分かるプレゼント応募券が切り取り難い魔法少女育成計画breakdown(前)の感想。

 事前に予告されていた書き下ろしエピローグと書き下ろし戦闘シーン以外にも加筆修正箇所が合計90個以上あってその違いにも興奮してた。マナさんのスーツケースの色が変わる(ダークグレー→ミルクホワイト)細かい変更には思わず二度見。

 ガッツリ削りますからねと言われていた時代があったので一時期は書籍化しても誰かの視点や描写が削られるのではと懸念したものですが、寧ろ書き下ろし視点が4つあり追加エピソードや心理描写が増えてよかったです。特にマイヤ、られ子関連。られ子の誕生日話、生い立ち的に初めて家に連れてきた日を誕生日と定めたんだろうか。親も兄弟姉妹も帰る家も無い孤児の背景で仕える家のお嬢様から誕生日プレゼント貰えたら泣くほど感動するのも頷ける。マイヤさんは何渡したのかなUMA系かな二人がツチノコいるかいないか議論したのビジュアルが判明したことで尚の事面白い。

 ビジュアルといえば人物カラーページと挿絵&巻末ファンページの人間体。満たされました喜びに。イオールお嬢様の笑顔で心が平伏した、乞水怜さんのポージングかわいい、七谷小鳥さんこの容姿で結界にぶつかって悶絶したりかつて文学少女気取りだったりしたの益々好きになる。そして何といっても夢野千枝さん。メリーの「若い女性への変身願望があるというのはわからなくもない」という地の文からも読み取れる実年齢を感じさせない容姿、広報部門に入る才があると思います。

 魔法少女インタビューのメリーの所では遠藤先生がいっていたセクシー議論ってここかと理解。ウェディンの「一般常識です」を彷彿とする遣り取りでメリーは全裸の女性を見てすぐに猥褻な人形の可能性が頭に浮かぶ辺りもしかしたらそういった知識に多少詳しいのかもしれない。フレキシブル解釈。あとマーガリートさんの自分を動物に例えると回答は「堅物に見えて実際はかなり面白い人」の通りで笑顔になった。

 ドラマCDのマーガリートさんも面白かったです。すれ違いコントっぷりが。「てんてこ舞」ってこんなに可愛いフレーズだったんだという気付きもあった。声でチェルシーのシェパーズパイ君呼びを聞ける日がくるなんて。

 ドラマCD②の恋々の「コワ~……何この人……」は恋々がこれから島ですることを踏まえるとあなたもめっちゃ怖いですよと思える趣がある台詞。あの魔法でどうやって仕事を遂行してきたのか?の疑問に対して一つの解になり得る発言には心掻き立てられた。「肉体的に傷つけることはない→チェルシーの血が滲む」然り時折垣間見える違和感にはゾッとするものがある。でも不休不眠の説得による家族の涙が何の涙かは捉え方次第で、メリーのあの状態ですら「比較的制御がきいている」だと嬉し涙のはずないように思えるけど明言されていない以上は確定ではなく断言できない。嬉し涙のはずない。

 

 現実が大変すぎてはよ死にたい感情はそんなことより5月10日まで生きよう感情によって影を潜めたので、breakdown(後)を心待ちに生きる。

まほいく技名一覧

※2023/04/21更新

 

目次(初出順)

ねむりん

ねむりんビーム
(ねむりんの冒険 p.11 アリス・イン・ハードゴアドリーム p.227)
ねむりんキック
(アリス・イン・ハードゴアドリーム p.231)
 台詞では「ねむりんキィーック!」表記。

マジカルデイジー

デイジーパンチ
(restart(前)p.26 マジカルデイジー第二十二話 p.76)
デイジーキック
(restart(前)p.27 マジカルデイジー第二十二話 p.76)
デイジービーム
(restart(前)p.6 27 31 80 マジカルデイジー第二十二話 p.77 88)
 台詞では「デイジービィーム!」「 デイジー……ビィィームッ!」表記。

魔王パム

氷漬けの最下層<コーキュートス>
(limited(前)p.184 limited(後)p.97)
 「コーキュートス」と「コキュートース」でルビに表記揺れ。
魔宴<サバト
(limited(前)p.259)
巨大な門衛<ハダーニエル>
(limited(後)p.93)
聖槍<ロンギヌス>
(limited(後)p.93)
煉獄の炎<ゲヘナ
(limited(後)p.97)
至言<ロゴス>
(limited(後)p.97)
明けの明星<ルシファー>
(limited(後)p.97)
吠え猛る風<ミーノース>
(limited(後)p.97)
毒蛇<エキドナ>
(limited(後)p.97)
憎悪<マステマ
(limited(後)p.100)

プリズムチェリー

チェリー・フラッシュ
(JOKERS p.54)

プリンセス・デリュージ

ラグジュアリーモード
(JOKERS p.140 ACES p.32 136 QUEENS p.262)
 JOKERS p.140では「ラグジュアリーモード! オン!」、JOKERS後のシリーズでは「ラグジュアリーモード・オン」表記。中黒の有無で3パターン。

ラグジュアリーモード・バースト
(ACES p.138 QUEENS p.265)
アルティメットプリンセスエクスプロージョン
(JOKERS p.334 黒 p.304)
 二代目ラズリーヌがドラマCDで言及。(in Dreamland 後編02「ベルっち! アルティメットプリンセスエクスプロージョンの準備はいいっすか!?」)

プリンセス・テンペスト

ラグジュアリーモード
(JOKERS p.140)
 台詞では「ラグジュアリーモード! オン!」表記。

プリンセス・インフェルノ

ラグジュアリーモード
(JOKERS p.233)
 台詞では「ラグジュアリーモード、オン!」表記。

アルティメットプリンセスエクスプロージョン
(JOKERS p.300 304)
 地の文。「エクスプロージョン」とインフェルノ視点で略称。(JOKERS p.302(2回)303)

プリンセス・クェイク

ラグジュアリーモード
(JOKERS p.270)
アルティメットプリンセスエクスプロージョン
(JOKERS p.270)
 台詞の中で技名を挙げた際の引用。

袋井魔梨華

鉄線のキンポウゲ<クレマチス
(JOKERS p.288)
臭悪な腐り花<ラフレシア
(JOKERS p.292)
奇妙な果実<ストレンジフルーツ>
(JOKERS p.318)
蟲喰らいの菫<バグイーター>
(JOKERS p.326)
向日葵砲<ソーラーキャノン>
(JOKERS p.397 400 in Dreamland 前編04 13(2回)後編01)
向日葵地獄<ソーラーヘブン>
(JOKERS p.403)
大虐殺の鯱頭<ジェノサイドオルカ>
(JOKERS p.413)
薔薇の十字斧<ローゼンクロイツ
(魔王塾主催地獄サバイバル p.163)
薔薇蛇鞭<ローゼンシュランゲ>
(魔王塾主催地獄サバイバル p.166)
薔薇の溜息<ローゼン・ゾイフツァー>
(魔王塾主催地獄サバイバル p.172)
デンドロビウム
(in Dreamland 前編04)
龍絶蘭<ドラゴンエクスティンクショナー>
(ラーメン双龍伝 p.123)
億日草<ジニア>
(※電子書籍版あとがき restart(後))
 ※没技名。
牙を剥く獅子頭ダンデライオン
(朗読劇「森の音楽家クラムベリー外伝」原作小説)

理想の袋井魔梨華

ブレイジング・ガーベラ
(in Dreamland 前編04)

理想のポスタリィ

スーパーポスタリィキック
(in Dreamland 前編05)
ウルトラポスタリィパンチ
(in Dreamland 前編05)
ハイテンションポスタリィビーム
(in Dreamland 前編05)
ダイナマイトポスタリィボム
(in Dreamland 前編05)
ポスタリィマイクロブラックホール
(in Dreamland 前編05)
デッドエンドポスタリィビッグバン
(in Dreamland 前編05)
オメガポスタリィディスインティグレイト
(in Dreamland 前編10 後編01)
ポスタリィカタストロフバニッシュメント
(in Dreamland 前編10 後編01)
ジ・エンド・オブ・ポスタリィドゥームズディ
(in Dreamland 前編10)
ポスタリィフレキシブルマシンガン
(in Dreamland 前編13)
ポスタリィグラインドスマッシャー
(in Dreamland 後編02)

理想のレイン・ポゥ

煌めきの虹乱舞
(in Dreamland 後編02)

理想のプフレ

プフレフック
(in Dreamland 後編02)
プフレストレート
(in Dreamland 後編02)
プフレアッパー
(in Dreamland 後編02)

メカゲール

シャドウゲールビーム
(in Dreamland 後編02)

綺麗なカラミティ・メアリ

マジカル燃料気化爆弾
(in Dreamland 後編02)

理想の究極将軍プキン

究極将軍ストラスト
(二大怪獣 夢の国大決戦 p.8)
究極将軍大切断
(二大怪獣 夢の国大決戦 p.8)
プキングランドクロス
(二大怪獣 夢の国大決戦 p.8)
ゴッドブレス
(二大怪獣 夢の国大決戦 p.9)

理想のアルティメットルーラ

ルーラガード
(二大怪獣 夢の国大決戦 p.8)
ルーラバリア
(二大怪獣 夢の国大決戦 p.8)
ルーラデストラクション
(二大怪獣 夢の国大決戦 p.8)
バーニング・ソウル
(二大怪獣 夢の国大決戦 p.9)

森の音楽家クラムベリー

打音<フォルテ>
(魔王塾主催地獄サバイバル p.162 167(2回)168)
内部破壊音<スフォルツァンド>
(魔王塾主催地獄サバイバル p.169)
大爆音<フォルティッシモ
(魔王塾主催地獄サバイバル p.173)
大爆音の二乗<フォルテ・フォルティッシモ
(※遠藤先生 Twitter 魔王塾主催 最強魔法少女決定トーナメント)
 ※「これは二次創作です」と補足。

FANBOOK p.11 遠藤先生コメント
 必殺技名は心の中にひっそりと秘めています。

Twitter 遠藤先生掲載話 2023/01/08

 森の音楽家クラムベリーは、打音(フォルテ)内部破壊音(スフォルツァンド)のように一つ一つの魔法に名前をつけています。色々あってつけなくてはならなかったのですが、本人に全くやる気がなかったためファヴが技名作りを手伝いました。それはまるで夏休みの宿題を手伝う親御さんだったそうです。

炎の湖フレイム・フレイミィ

上は大火事<デスフレイム>
(魔王塾主催地獄サバイバル p.173)
下も大火事<ヘルファイア
(魔王塾主催地獄サバイバル p.176)
 パミーの解説。

超龍パナース/双龍パナース/蒼龍パナース

神をも喰らう蒼き毒龍<ヨルムンガンド
(青い魔法少女は忙しい p.258 278)
終焉に舞う黒き飛龍<ニーズヘッグ>
(青い魔法少女は忙しい p.258 278)
龍の冬<フィンブルヴェト>
(ラーメン双龍伝 p.123)
指輪に呪われし黄金の地龍<ファフニール
(※電子書籍版あとがき restart(後))
 ※没技名。

ステラ・ルル

ルル・クラッシュ
(F2P 第1話 第6話)

レーテ

万天無に帰せ<アメノオハバリ>
(QUEENS p.216)
衆生地に伏せ<アメノハバキリ>
(QUEENS p.218
十派彼に為せ<アメノヌボコ>
(QUEENS p.219)
 技名兼武器名? breakdown第18話 p.25にて対ホムンクルス用に作られた剣(クラリッサ曰く元々の名前は数字と記号を組み合わせた全く味気ない名前)の命名者と思わしき描写あり。

られ子

八臂の構え
(breakdown第15話 p.35)
本手打ち
(breakdown第15話 p.37)
引手払い
(breakdown第15話 p.37)
打突
(breakdown第15話 p.37)
落とし噛み
(breakdown第15話 p.37)
引き落とし
(breakdown第15話 p.38)
穿魔
(breakdown第15話 p.38)
 全て地の文。

breakdown第19話 p.6
「自分だけでなく相手も無傷で制圧する」ことを最上とした杖術の理念に反するマイヤオリジナルの外道技。かつて魔王パムの羽を貫いたというエピソードから名付けられた名前は──穿魔。

A級焼女

滾れあたしの恋心<ブレイジング・レイ>
魔法少女暗殺計画 p.250)

もるもるモルグ

絶対的死体安置所<モルグ・ノワール
電子書籍版あとがき restart(後))
 没技名。
絶対的死体保管所<モルグ・ノワール
(※遠藤先生 Twitter  魔王塾主催 最強魔法少女決定トーナメント)
 ※「これは二次創作です」と補足。初出時は「ブラックモルグ」と表記され後に「モルグ・ノワールに訂正。名前は「もるもるもるぐ」となっている。

もな子

弱肉強食誘拐遊戯<カミカクシ>
電子書籍版あとがき restart(後))
 没技名。

エイミー

九人のいかれた女たち<ナイン・テイルズ>
電子書籍版あとがき restart(後))
 没技名。

雷将アーデルハイト

閃手必勝<カイザーシュラハト>
(黒 p.193 274)
禁域鉄壁<ジークフリートリーニエ>
(黒 p.195 夜に翔ぶ少女達 p.22)
獅風迅雷<ブリッツクリーク>
(黒 p.287 白)
天衣無砲<ヴィルヘルム・ゲシュッツ>
(白)

プリンセス・ライトニング

ラグジュアリーモード
(黒 p.194 267)
 台詞では「ラグジュアリーモード、オン」表記。
雷吐迅弓爆流闘<ライトニングボルト>
(黒 p.292)
風雷棲魔暴流<プラズマボール>
(白)
燦騨無礼紅<サンダーブレイク>
(白)
羅倶珠有耗度・爆棲吐<ラグジュアリーモード・バースト>
(白)
涛流樊魔<トールハンマー
(白)

クミクミ

パワードクミクミフォートレスモード
(黒 p.278)
 技名のカテゴリではなく形態、装備名と見受けられる。(夜に翔ぶ少女達 p.23)

すぴのん

アナコンダ・ベビー
(新人魔法少女地獄巡り p.28)
クロウ・ループ
(新人魔法少女地獄巡り p.28)
マジカル・ザ・ワールド
(新人魔法少女地獄巡り p.28)
ラブ・デッドホール・コスモ
(新人魔法少女地獄巡り p.31)
 地の文。

breakdown挿絵アンケートで投票するシーンを考えつつ好きなシーンの振り返り

 一昨日、月刊魔法少女育成計画公式Twitterより発表された「『魔法少女育成計画breakdown』書籍化記念! breakdownのこのシーンに挿絵が欲しいよアンケート」について。ベストバウト結果発表その2や質問はいつ何だろうという疑問はタイムカプセル的感覚で気長に待って一旦置き、どのシーンを希望しようか書き記していく。

 

られ子がフランチェスカに穿魔を放つシーン【15話】

breakdown 15話 p.38

 意識が高まる。掌中の杖一点に集中する。捕縛と鎮圧を基本とする杖道の中でも数少ない、破壊を目的とする技。魔王パムの羽一枚半を貫いたことからこの名がつけられた。右斜め後方からほんの一瞬垣間見えた顎先に向けて渾身の「穿魔」を放つ。

  何と言っても「穿魔」がかっこいい。魔法少女杖道から放たれる技(「八臂の構え」「本手打ち」「引手払い」「打突」「落とし噛み」「引き落とし」)を連続で見たら興奮するのも無理ない。遠藤先生が描く足から崩していく戦闘描写が好き。この後の「役に立たないクズ技を教えやがって」も印象深い毒づき。

 

ドリーミィ☆チェルシーVSフランチェスカ(2回戦目冒頭) 【16話】

breakdown 16話 p.24

「今から魅せてあげる。あなたの知らない可愛らしさを」

 やることは決まっていた。ハートマークを崩してピースサインに移行、ビシッとポーズをつけて腕をクロスさせながら相手を指し、叫んだ。

「ドリーミィ☆チェルシーに! お任せよ!」

 太陽光を受けて星飾りが黒く光る。女神が飛ぶのと同時にチェルシーが踊った。

  最高に大好きな台詞と幕開け。いつか投票できる機会があればここは絶対に投票したいと思ってた。偏にドリーミィ☆チェルシーVSフランチェスカといっても作中で三回激闘を繰り広げており、どれも記憶に強く刻まれてる戦闘なので、このシーン以外にも挿絵になってほしいシーンは多い。「──シェパーズパイ君……ちょっとだけ力を貸して」や三回戦目でフランチェスカチェルシーを前に見せた情緒など。第11話から第22話に亘って二人の超新星バトルには終始魅せられ続けた。

 

 

七谷小鳥が女神に飛びつくシーン【14話】

breakdown 14話 pp.26-27

──ここか?

 なにがここなのか自分でもよくわからない。保留はできない。やるかやらないか、それしかない。小鳥はメイをしっかりと把持し、女神の肩、枝ののっていない方に向かって飛びついた。

 戦闘部門から一転して人間体見たい部門へ。七谷小鳥さん関連だと序盤のパジャ魔法少女失態や沼でメイと会話する等あるけど、その中でもこのシーンは人間体見たい欲を差し置いても鳥肌立った私的名場面。

 limitedプキン戦終盤では覚悟も戦意も吹き飛び何も出来ずメイとフレデリカによって助かった7753が第6話でプキンに似ていると比喩された存在に対してあの時とは対比的に今度は自分が自身とメイが生き残るために行動しそして終盤では戦い抜いたのが熱い。7753の普段は地に足のついた感じながらもいざという時にベテランの判断力と直感と胆力が働く一面に心惹かれる。

 

ドリーミィ☆チェルシーが蘇生したシーン【19話】

breakdown 19話 p.22

 ネフィーリアは息を呑んだ。女性は鬼気迫る表情で手に力を込めた。蒼褪めた唇を震わせ、途切れそうになりながらも縺れることなく言葉を繋いだ。

「聞こえた……チェルシー……に……」

 呟きのような声が、やがて囁きになり、蚊の鳴き声よりも小さくなって消えていく。

「助けを……求め……声……」

breakdown 19話 p.22

──こいつ……!

 死んでいた。死者への接触を生業とするネフィーリアが間違えることはない。確実に絶命していた。一から十まで余さず狂っている。

 ネフィーリアの魔法が発動=死亡が確定し、それまで祈ってた「どうかチェルシーが生きてますように……!」という淡い希望は完全に崩れ去って滅茶苦茶になってた感情がこの復活で急速に爆上がりしたのを今でもはっきり覚えてる。死して尚自分を貫くチェルシー魔法少女としての魂。死神(モチーフ)の魔法をきっかけに蘇るって構図が良い。

 

恋々が家族を守りにいくシーン【19話】

breakdown 19話 p.17

 歪められていた思い出がはっきりとした形で蘇る。争う母と父。泣きながら割って入ろうとする幼い妹。はずみで吹き飛ばされ、壁に跳ね返り、動かなくなる小さな身体。母の悲鳴と父の怒声をかき消す少女の叫び。そこでぷつんと記憶が途切れ、見えなくなる。

──もう……二度と……。

 同じころは繰り返さない。繰り返させたりしない。恋々が止めてみせる。

 「恋々は自分を取り戻していた。今まで失調していたという自覚さえあった」からの「ステッキを持ったお父さんと細剣を構えたお母さんが対峙している。そこに向かってかけていくのは妹だ」と認識が歪んでいるシーンで初見の時は戦慄&これから一体どうなるんだというドキドキ。

 そしてあの時守れなかった、目の前で死んだ妹をやっと守れて、笑顔で最期を遂げた。クランテイルさんがそう感じだと通りようやく自分から動いて大切な人を守り満足そうな笑顔を浮かべて事切れたペチカを彷彿とする最期。最後まで狂ってたけど、そうならざるを得なくても拠所無い過去があったからこそネフィ表現でいう「恋々が騙していたのは他人ではなく恋々自身だった」で、自身を騙してでも家族という存在に執着し大切に想い愛を求めた恋々が切なくて狂おしくて堪らなく好き。

  

 

 結局まだ三つに絞れない。マーガリートさんの最期の「よくやった」、ネフィが羽を擦ってイマジナリー恋々と会話、メリーとメリーの羊達が立ち向かうシーン。他にもあるけれど、今は前述した五つを現段階の最終有力候補とし、締切の12月31日までに決める。breakdown書籍化、楽しみです。